開業屋 原田 諦の飲食ビジネス情報  ≪飲食店指導実績 300社533店舗以上 日本一の飲食店・開業屋≫

気功に負けた飲食会社社長


気功に負けた飲食会社社長(1)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。

岐阜県のある飲食会社の社長、Nさんから電話が入った。
「先生!お久しぶりです!お元気でしたか」
この社長は、私が勤めていたコンサル会社の会員であった。年齢は相当高いのだが、気丈できりっとしたところがよくて、私を凄く気に入ってくれていた一人であった。
「社長!お久しぶりです。お元気でしたか!」
「ワシはお蔭様で元気なんじゃが、店のほうが元気がなくて困っているんですわ!」
「何処の店ですか?」
「先生も知っていると思うが、ほれ、あのナイトレジャー街の焼肉屋ですわ!」
「いや、私は存じませんので、最近ではないんでしょうかね〜」
「ああ、そうか、未だ一年ぐらい前に開店したんじゃ。」

「それじゃ、分りませんね!それで、皆さんはお元気でやっておりますか?」
「皆元気じゃよ!先生が来てくれなくなって、部長も困っていますよ!どうだろう、我が社の顧問として、またご指導いただけないでしょうかね〜」
「私は、別にかまいませんが、社長の方は大丈夫なんですか!」
「ワシは大丈夫じゃよ!先生が、アレ依頼、来てくれないものですから遠慮しておったんじゃよ」
「そこで、先生!其の焼き肉屋を見てもらえませんか。現在月に30万円ぐらいしか売れていないんですわ。本社の社長からも笑われておりますが、なんともならんで・・・」
実はこの会社、ゼネコン会社が資金を出している子会社なのである。
「どうしてそんな店を作ったんですか」
「いやー、じつは、コンサルタントの先生に、コンセプトやらを作ってもらって、ご指導を頂いたんですが、開店から全くですわ!」

「分りました。とりあえず、来週にでもお伺いしますので、社長は、会社におられますか?」
「先生が来られるならば、どんな仕事を断っても待っておりますわ」
この社長は、全日本空手の指導者もやっているほどの方で、何しろ生真面目な上に、義理堅いところがある人物である。
私が会社勤めをしている頃には、私しか相手にしない社長でもあった。この地方では、中堅の外食会社として知名度も高く、ラーメン店、居酒屋、カラオケ、などを数軒経営し、年商20億円と言うところである。
気功に負けた飲食会社社長!(2)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
前回のあらすじ、
以前知り合いの社長から久しぶりに電話が鳴り、私は、この会社のコンサルを引き受けることになった。しかし、月商30万円の店が本当に改善できるのだろうか!不安が一杯であった。

「分りました、それでは来週にも伺わせていただきますので、よろしくお願いします」
「本当ですか!それはありがたい。」
こうして、私は岐阜の「焼肉M」を経営する会社の顧問コンサルタントとして業務契約をしたのである。それから、一週間後、わたしは岐阜羽島駅に着いた。そこには、部長の中村君が迎えにきていた。
「こんにちわ、随分久しぶりですね」

彼との面会も久しぶりであった。
「先生!お久しぶりです。お変わりがなくて何よりです」
「中村さんも何よりで」こんなやり取りをしながら、問題の店に着いた。ところが、
「中村部長!この店ですか?」
「ハイ、この店なんですよ」
何とそこは、ナイトレジャー街のど真ん中にあり、近所では、厚化粧の女性や蝶ネクタイの黒服ボーイが呼び込みをやっている。
「お兄さん!綺麗どころが揃っていますよ!どうですか」
このような店が軒並みである。
「部長、どうしてこんな立地に焼肉屋なんて出したんです!」
「それが、社長の関係の物件でどうしても引き受けなくてはならなくなったものですから・・・」

「それはいいでしょうけれども、何もファミリー焼肉でなくとも何とかなったでしょう」
「ええ、実はこの店舗は、あるコンサルタントの先生がコンセプトを引いて、それをそのまま開店させてしまったんですよ」
そんな話をしているところへ社長が店へきたのである。
「先生!いやー、お久しぶりです」
「本当にご無沙汰しておりまして申し訳ありません」
「相変わらず、ご活躍で結構ですな!」
「とんでもない!社長こそ、会社も随分大きくなされて・・」
「ところで、この店舗の売上に困っているんでしたよね」
「そうなんですよー、何とかなりそうですかね」
「経営分岐点はどのくらいなんですか?」

「それが、450万円でしてねー」
「450万円ですか・・・大変ですね現在の15倍ですよね。しかし、社長らしくもない事をしましたね」
「いやー、コンサルタント会社がどうしてもやらしてくれと言うもんでやらしたんですが、この様ですわ!」
「でも、これはひどすぎますね!風俗店が犇いているこの地域へファミリー飲食店を計画するなんて・・・」
「ファミリー飲食店は、子供連れのお客が多いのに、こんな場所へ家族で食事に来られますか?」私は、目の前が真っ暗になっていたのである。
気功に負けた飲食会社社長!(3)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、 
月商30万円の焼き肉店の損益分岐点売上が450万円だという。このとんでもない店舗活性を依頼された私は、早速、其の店がある現場へ出向いたが、其の場所は、ファミリーレストランには、とんでもないナイトレジャー街であった。

「社長!この店をこのままでは活性させる事は難しいですよ。いっそのこと、業態変更の方が資金が掛からないと思いますが・・」
「分りました。先生!実は、本社の経理への大義名分もありまして、一度何らかの行動を起こしてから其の計画には入れればと思っているんですが・・・」
「そうですか!分りました。」

私は、この営業活性を実現できる事は期待していなかったが、とりあえず、従業員と共に、売上アップのイベントを企画したのである。
其のイベントとは、焼肉ご注文くださった全てのお客様へ生ビールを無料でサービスするという内容である。当時、生ビールジョッキ一杯の原価が172円だった事から、リスクは大して大きくならないと睨んだのである。焼き肉店の客単価3,500円の約5%である。
其の仕掛けとして、牛のぬいぐるみを芸能プロダクションからリースして、8人の従業員が自転車に乗り、町内回りをしたのであった。
其の光景は、話題になったことを言うまでもない。なにしろ、8匹の牛がパンフレットを配り歩いているのだから、子供達が着いて回るほどであった。しかし、イベント3日までの売上は一日15万円ほどを記録したが、イベント終了と共に其の売上も元に戻ってしまったのである。そこで、再び社長へ提案したのが業態変更であった。

「社長!申し訳ありません!コレ以上続けていても費用が掛かるばかりですので、決断をお願いします。イベントが話題になったので、本社には十分な効果があったものと思われますので・・・」
「ええ、十分ですよ。有難うございました。」
こうして、社長とのミーティングを終了して帰宅したのであった。
それから数日後、
「先生!実は、本社の社長から、物件から撤退するわけには行かないのだから、何か別の飲食店を開発するよう言われまして・・」
「そうですか!分りました。それでは、もう一度お伺いしまして、立地調査の上に新しい営業コンセプトを開発させていただきます」
「よろしくお願いします。色々面倒をかけてすみませんね〜」


「とんでもありませんよ!有難うございます。繁盛店を作って見せますよ」
こうして、私は、改めて立地調査に入ったのであった。しかし、この場所で、成功できる飲食店といえば、アルコールを絡めた業態しか考えられない。
当時は居酒屋ブームの真っ盛り中で、何処の店でも生ビールジョッキをぶつけ合い、”イッキ、イッキ”を合唱していた時代だったのである。
気功に負けた飲食会社社長!(4)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
売上が極端に悪い焼肉店の営業活性を依頼された私は、其の店の活性をするために、大々的なイベントを開催した。全従業員がぬいぐるみを着て町内まわりである。しかし、イベントが終了すると、売上は元に戻ってしまうのである。それで、業態変更の許しを社長から貰うと、近隣調査へ乗り出したのである。同行者は、中村部長である。
「部長!何処かの居酒屋へ行きたいのですが、」
「先生!近くに最近出来た居酒屋がありますので、そこへ行きましょう。次に私どもの経営している居酒屋へご案内します」
「有難うございます。」こうして二人は、居酒屋へ入ることにした。


入った居酒屋は、店内が広く80人ぐらいが入れる和食の居酒屋であった。店内は、若者や年配の客で満員であった。
「部長、混んでいますね」
「ええ、この辺では一番流行っている店です」
「でも、客層が広いですね。若者から年配まで・・」
「この辺の居酒屋は、みんなこのような状態ですよ」
「そうですか、でも、お互いに目線をそらしているように思いますね」
そうである。若者と年配客はお互いに背を向け合うような形で、それぞれが意識している様子であった。それから、直営の居酒屋へいったが、ここでも同じような光景を目にしたのである。

これだ!私が頭にひらめいたのは、この年配客である。若者達は未来の話に花を咲かせているのだが、年配たちは10年も前のことに花を咲かせている。これでは”同床異夢”其のものである。決して楽しいはずはなかった。
そこで、この雰囲気を作り出せるようなコンセプトがあれば、必ず繁盛店になれると考えたのであった。
一ヵ月後、私の営業コンセプトが完成した。テーマは「鍋でも囲んで一杯やっか!昔話に花が咲く!」である。
この客層を絞り込んでターゲットにすれば、あの居酒屋からあの客を奪い取れると、考えたのである。
メニューは、世界の鍋料理だ。私が中国料理の鍋と日本料理の鍋、韓国のちげ鍋など、20種ほどのレシピーを用意した。

早速、社長へプレゼンテーションする日が来た。
「社長!鍋家で行きましょう。」
「鍋ですか。先生、鍋は夏場しか売れないんじゃないですか」
「なあ〜、中村君!」
この二人には、このコンセプトが気に入らなかったらしいが、これでなければ、この店が生き返る事はできない事を知っていた私は、曲げる事をしなかったのである。

気功に負けた飲食会社社長!(5)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
売上アップの最終段階として、業態改革を決定したことからコンセプトを設計した。その業態が鍋家だったことへ社長、部長は不安を抱いていたのである。

「社長!現在は空調が完備していることから、大丈夫ですよ。実際にしゃぶしゃぶやちゃんこの店が繁盛しているじゃないですか」
「先生がそこまでおっしゃるなら、これで行きましょう」
ここで方向性が決定したのである。
店内改装は、最小限度で実施する事にした。とくに、焼肉の五徳が円形だった事から、そのまま鍋に都合が良かったことから、この分も合理化することが出来たのである。

それから従業員の特訓が始まった。担当は和食の経験豊富な小松君に決定した。
さらに、これまでの赤字経営から、脱皮するためにこの小松君に委託経営システムを導入する事にした。彼は、長期間勤務していたことから全従業員の意識も高まって来たのである。
それから、やっとオープンが近づいた。社長が東京の事務所まできた。
「先生!オープンはどうしましょうかね!」
「社長!顧客ターゲットは45歳以上にしてください。客単価は5,000円を狙います」
「分りました。お蔭様で部長もやる気一杯で喜んでいますよ。」
「しかし、お客にこの店を認知してもらえるまで3ヶ月間くらい我慢してください。特別なコンセプトの店は、商圏を広げなければならないので、広告がいきわたるまでの辛抱です」

「分りました。是非、店のほうへ顔を出してあげてください」
こう言って、帰ったのである。それから開店日がきまり、いよいよ開店日を迎えた。
開店日、社長が熊本の馬刺しを仕入れてきた。一キロ2万円もする高級品だが、社長の自腹で買ってきたそうだ。ここまで、全員がこの店に気を入れていれば、大丈夫!私は確信した。
オープンサービスには、純米酒(山田錦の荒走り)をグラス一杯を無料で提供することにした。其の香りは、ワインのごとく日本酒とは思えないほどの芳香である。
お客さんが入ってきた。計画通りの中高年者である。しかも、鍋は順調に売れている。客単価は5,500円と予想を上回ったのである。
「部長!良かったね。これでこの店は心配ありませんよ」
「本当に有難うございました。社長があんなコンサルタントに頼まなければこんな苦労もしなかったのに」

「まあ、これまでの事はいいじゃないですか。これから、この店を繁盛店にしてください」
この店の委託経営を負かされた小松君は、奥さんともども頑張っている。
こうして、「鍋家」が開店した事によって、会社の雰囲気も一段と盛り上がっていったのであった。しかし、それから数ヵ月後、気になることが起こった。
気功に負けた飲食会社社長!(6)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
極端な売上不足の飲食店の活性を依頼された私は、焼肉店を鍋家へ業態変更した。この改革が成功して、次の仕事に取り掛かることになった。

「先生!この鍋家をキッカケにして、ラーメン店の面倒も見てもらえませんでしょうかね!」
「もちろん、結構ですよ!あのロードサイドのラーメン店ですね」
「ええ、フランチャイズ加盟したんですが、本部は何も出来ないものですから、売上が落ちてくると、我が社の社員が勝手にいろいろ工夫しなければならないんですよ」
「そうですか、でもロイヤリティーを払っているんでしょう」
「もちろん払っていますよ。しかし、能力がなければどうにもならないでしょうが・・」


「それは困りましたね。本部が無責任なフランチャイズが増えていますからね。それで、私が関わってもよろしいんでしょうかね。本部からクレームが付くと困りますしね!」
「なーに、もうこちらで勝手にやってくださいと、本部から言ってきていますので、先生に、ご迷惑はお掛けしませんよ」
「そうですか、それでは、早速店舗を見てきます」
「お願いします。」
こういって、社長は、部長に私を任せて帰宅したのであった。
ラーメン店は、ロードサイドに建てられた、ファミリーレストラン風の店であった。
其の商品力は、全くといえるほど完成度が低い。以前、私がこの本部の指導に入ったことがあることから、ほとんどのメニューは分っていた。しかし、合理化を目指すばかりの本部は、私の言う事は聞かなかったのである。

「部長、これでは売上を上げる事は難しいので、メニュー改定をしましょうよ」
「ええ、私もそう思っていたんですよ。しかし、麺とタレが本部から送られてくるものですから、どうしようもないんですよ。」
「それはそれでいいでしょう。しかし、この餃子では売れませんので、餃子は我が社で作る事にしましょう」
「出来ますかね。我が社の社員で・・・」
「大丈夫ですよ。 私のレシピーを差し上げますので、それで担当者をつけてくだされば、いちから手伝います。」
こうして、部長は、餃子加工の作業場を作ったのであった。小さい工場だが、2店舗分なので問題はなかった。そうしているところへ、社長が見えた。
「先生!実は、ワシの友人が”とんかつ屋”をやっているんですが、売れないんで困っているんですわ。それで先生、明日、一緒に見てもらえんでしょうか」

「ええ、いいですよ。場所はどちらなんでしょう」
「ええ、熊本なんですわ」
「え、熊本ですか」
「名古屋空港から便があるので、そこまで部長に車で遅らせますので・・」
「分りました。それでは、明日準備しておきます。」
こうして、いきなり、熊本のとんかつ店へ行く事が決まったのであった。ラーメン店もまだ、中途のところだが、社長が友人に頼まれて困っている様子なので、断りきれなかったのである。
次の日、中村部長の車で空港まで送ってもらう事になった。ところが、其の車の中で、社長が変な行動をしているのである。何か象牙みたいな、三又に分かれた物を取り出してへんなことをしているのだ。なんだろう・・・
気功に負けた飲食会社社長!(7)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
売り上げ不振の焼肉店の活性に成功した私は、次の店の活性に取り組む事になったが、其の前に、社長の友人が経営する熊本のとんかつ店を見て欲しいと言う。そこで、翌日、熊本へ飛ぶことになったのである。

空港までの車内で、社長が突然、紫の布から象牙みたいなものを取り出した。そして、其の物を肩や腕に当てて、何やら呪文みたいな事をつぶやいている。私は暫く黙って見ていることにした。

そして、
「社長それは何ですか」
「これで、体全体の血液の流れを良くしているんじゃよ」
「へー、これで血液の流れが分るんですか」
「これが宇宙のエネルギーを集めて、体内の血液の流れを確認するんじゃよ」
「へ〜、私にも貸してくださいよ」
「だめですよ、先生にはできませんよ。これは気功といって修業が必要ですわ」
「そうなんですか」

私は、其の邪魔になると思い、暫く沈黙していた。すると、暫くして、社長は眠ってしまったのである。
「部長、社長はいつごろからこんな事始めたんです。」
「はあ、つい最近ですが、何でもあるセミナーへ出てからですね」
「どこか、体が悪いんですか?」
「ええ、最近では体調がよくないみたいです。でもこんな人ですから、私たちには何も言わないんですよ」
「そうですね。以前は凄く怖くて、うちの事務員たちがビクビクしていましたからね〜」

気功に負けた飲食会社社長!(8)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
極端な売上不足の焼肉店を活性した私は、次の店舗の活性に取り掛かることになった。しかし、其の前に社長の友人である熊本へ行って、とんかつ店を見ることになった。そこで突然、社長の仕草が・・・おかしい事に気づいたのである。

なんとも、奇妙な仕草をしている社長を見て、私は暫く見ぬ振りをしていた。これまで気が付かなかったが、突然の事だろうか、それともこんな癖があっただろうか。まあ、とりあえず熊本から私は東京へ社長は名古屋へそれぞれ別の便で帰ったのである。
東京へ帰って、数日後、中村部長から連絡があった。


「先生!ラーメン店の件ですが・・・、餃子の工場が出来ましたので是非見てください」
「そうですか、早かったですね。それでは来月の始めにでも伺います」
「お待ちしております。社長も、先生に会いたいと申しておられますので・・・」
「社長がですか?」
私は、何となく変な気分になってしまったのである。しかし、こんな事をお客様の前で言うのも失礼な話だと思って、そのまま電話を切った。
それから一週間後、この会社のラーメン店活性の仕事が残っていた事から、岐阜までいく事にした。ちょうど月初めと言う事もあって、全従業員が出勤しているので、社内の勉強会を開催したいと言う。そこで、社長に会うことが出来たのである。

「イヤー、先生、この間は大変遠くまで行っていただいてありがとうございました。彼は大変大喜びで、先生の言うとおり、これからサービスの強化とメニューの変更をするって言っていましたよ」
「そうですか、それで売り上げが上がると良いんですがね〜」
「そォ言えば、彼も先生に顧問になってもらえないかと、言っていましたが・・どうでしょうかね」
「そうですね!佐賀県の方に顧問先があるので、よろしかったら、其の帰りにでも行ってもいいですよ」
「そうですか、それは喜ぶでしょう」

こうして、顧問先を一社紹介されて、勉強会に入った。
まず、社長の挨拶があった。しかし、其の壇上で、又してもへんな仕草が・・・
私は、中村部長に小声で、
「部長!社長にはあんな癖がありましたっけ!」
「あ、アレですね。近頃特にひどくなっているんですものね」
やはり、これは何かがあるんじゃないか。そう思いながら其の日の勉強会が終了したのである。
気功に負けた飲食会社社長!(9)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
極端な売り上げ不振の焼肉店の活性化を済ませた私は、次の活性店舗「FC加盟のラーメン店」の活性に取り掛かることになった。其の勉強会の壇上で社長が、又しても不可解な仕草を・・

「部長!社長はどこかが悪いんではないんですかね。あんな仕草をしたことをこれまで見たことがありませんよね」
「ええ、そうなんですよ。私は、あの気功のせいだと思っているんですよ」
「え、気功がですか・・・」

「ええ、気功を初めて二ヶ月くらいから何となく社長が目をむきながら口をひねるような仕草をはじめたんですよ」
「そうですか・・社長に止めるようには言えませんよね」
「それは出来ませんよ!そんなことを言ったら、怒られますよ」
「そうですよね!あそこまで夢中になっているんですものね」
しかし、私は心配でならなかったのである。何故ならば、不安を抱いていない経営者は皆無に違いない。幾つかの不安とジレンマをかかえて、苦悩しているものである。したがって、仏や神にすがったところで、解決にはならない。経営者にはそれを決断する能力が求められている以上、それが宿命である。

この宿命から逃げようとするならば、それは”やる””やらない”の決断しかないのである。
したがって、私は、経営者が宗教や神仏、こうした目に見えない神通力などに懲りすぎる事へ注意をしている。
経営は、他力本願で解決する事はできないのだ。
この社長も、豪快な人生を歩いてきたように見えるが、内心は不安やジレンマの圧力に潰されそうになったことも多だ有るに違いない。よって、この”気功への修業”が、天の助けに見えたに違いなかったのである。
私は、思い切って社長に忠告をする決断をした。

「社長!どこかからだの具合が悪いんじゃないんですか」
「いいや、先生!この気功を始めてからはとても調子がいいんですよ」
「そうですか・・・でも、社長!余りはまらないで下さいよ!何でも懲りすぎると、身体を壊す事にもなりかねないですからね!」
「ハイ、それは私も承知しております。有難うございます。」
「ところで、先生!先生は、うちの会社をこれからもず〜と見てもらえますかね。もし、ワシに何かがあっても、先生!よろしくお願いしますよ・・」
「エッ、」私は、何か嫌な予感がしてきたのであった。
気功に負けた飲食会社社長!(最終回)
このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
これまでのあらすじ、
極端に売り上げ不振の焼肉店の活性業務を依頼された私は、業態変更で、この店の活性に成功した。しかし、その後、気になることが起こったのである。それは、社長の様子がとてもおかしい事であった。

その後、ラーメン店の活性は、 スーパーバイザーの塚田君と取り組むことになった。彼が、ほとんどの人事を担当している事から、其のプロジェクトを編成する必要があったからである。商品開発が順調に進み、メニューが完成した。
セットメニューやオリジナルメニューを導入して、ラーメン店としてのの独自性をアピールすることにしたのである。

そこへ、中村部長がやってきた。
「先生!ご苦労様です」
「どうも、ラーメン店は、FCから脱皮した形で取り組む事にしましたよ」
「ええ、向こうのスーパーバイザーも黙認していますので・・・」
「そうですか!ところで、社長の方はいかがですか?」
部長は、声を低め、
「それがですね、昨夜、大変なことがありまして・・・」
「エッ、どんな事ですか」
「ええ、実は、夜中の事ですが奥様か来られまして、何か社長がおかしいので入院させると言うんですよ」

「それで入院したんですか」
「ええ、今朝ですが入院しました」
「そうですか!私もお見舞いに行かなければならないですね」
「いや、今日は病院の方で検査なので二〜三日は面会できないそうですよ」
「一体どうしたんでしょう・・」
「何でも、奥さんが言うには、訳の分らない事を言って家を出てしまったり、息子を殴ったりするらしいんです」
「へ〜、おかしいですよね。あの社長が!」
こうして、私は其の日帰宅したのであった。

それから、数日後、又部長から連絡が入った。
「先生!昨日ですね、社長が夜中に事務所へ来まして、”おい!中村君、明日の手形の資金は間に合うのか!”と聞いてくるんですよ。うちの会社は、手形など振り出していないのにですよ」
「脳の障害ですね!」
「ええ、医者が言うには、もう、仕事に復帰する事は無理だというのです」
「そうですか、それは可哀想ですね」
その後、私が病院へ見舞いに行っても私のことを覚えていなかったのである。
こうして、気功を始めたのをキッカケに、この社長は職場に戻る事はもちろん、人間として復帰する事は出来なくなってしまったのである。
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