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このストーリーは、私のコンサルティング実例です。会社名人名は架空です。
わたしは、取引先の紹介で焼き鳥チェーン店の経営コンサルを引き受けることになった。早速出向いた会社は、大阪で6店舗の焼き鳥居酒屋を経営している会社である。
その会社は大阪のはずれにあった。指定された駅へ到着すると、そこへ出迎えてくれたのは、優しそうな男である。しかも、体からは何となく頼りなさそうな雰囲気だ。本当にこれで6店舗もの店を経営しているのだろうか。私は不思議な思いで彼を見つめた。
「原田先生ですか、私は、やきとり五郎の藤井と申します。本日はありがとうございます。」
なんとも、関西弁ではなく、関東弁である。
「えっ、社長は関西人ではないんですか?」
「ええ、私は以前は埼玉におりました」
「そうですか!ことばが関東弁ですものね」
「ええ、10年ぐらいたつのですが、関西弁にはなじめませんよ」
「でも、6店舗もお店をもっているのですから大したものじゃないですか」
「家内が関西出身ですので、こちらのほうへ来たわけでして」
「そうですか、ところで、藤井さん!店のほうはいかがですか?」
「資金繰りが苦しくて大変です」
「そうですか、何処の店でも飲食店の難点は、資金繰りなんですよね」
車の中での会話が進んでいるうちに、到着したのは何と公民館である。
「先生、今日は従業員を集めておりますので少しお話をしていただけないでしょうか」
「ハイ、分りました。」
館内へ入ると、そこには6〜70人程度の従業員が集まっている。
こんなに従業員がいるんだ。わたしは、単なる焼きとり店の経営と軽く睨んでいた事から、この従業員の数には少し驚いた。
しかし、彼らの顔には少しも笑顔がない。もっとも、コンサルタントの話を喜んで聞く従業員は僅かしかいないのだから、当たり前かもしれない。とくに、深夜まで営業していることから昼の講義を聞く事は辛いに決まっている。
「皆さんおはようございます。皆さんは深夜まで営業しているのに、この時間に話を聞くのは眠くなるに違いありませんね。少しの間我慢して聞いてください」
こうして、簡単な挨拶と自己紹介、そして外食業界の最近の傾向などを話し、終了した。
その後、社長から奥様を紹介された。しかし、社長とは相当の年齢の差があるようである。
少なくとも20歳くらいは違うだろう。私にはそう見えた。
なるほど、だから、ここの社長は頼りなく見えるのか!一人考えながら奥様に挨拶をした。
「始めまして、原田でございます。今後ともよろしくお願いします」
「まあ、ご苦労はんです。ほな最近は飲食店の方はどなんでん?」
「ええ、何処も似たようなところですね。大手と小規模店の格差が大きいですからね」
「そんなんですよ!家の店の近くにも大手さんの店がギョウサンあるでっしゃろ。大変でっせ」
どうも、この奥さんのほうが、経営の主導権を握っている様子である。
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