吉野家が9月3日から「トッピング祭」
吉野家は2026年9月3日11時から9月24日15時まで、全国店舗の対象トッピング8品を税込価格から50円引きする「トッピング祭」を開始した。明太高菜マヨ、ねぎ玉子、クワトロチーズ、キムチなどを対象とし、顧客自身が好みの牛丼を作る「推し牛」という提案も行っている。
この施策で興味深いのは、主力の牛丼そのものを大幅値下げするのではなく、追加注文を促すトッピングを販促対象としている点だ。値引きによる来店動機を作りながら、カスタマイズ体験と客単価向上を両立させる狙いが読み取れる。
一律値下げの限界
原材料、人件費、物流費が上昇している現在、全商品を長期間値下げする戦略は利益を大きく損なう可能性がある。日本マクドナルドも8月にポテトや炭酸飲料の期間限定価格施策を実施したが、期間を限定し、対象商品を絞っている。
飲食店にとって値引きは集客手段であり、目的ではない。値引き商品だけ購入して顧客が帰れば利益は減少する。販促対象商品からセット、追加メニュー、次回来店へどのようにつなげるかまで設計して初めてマーケティングになる。
独立店で使える販促設計
- 追加商品型:トッピングやドリンクだけを割引する
- 時間限定型:閑散時間に限定したサービスを設定する
- 次回来店型:当日値引きではなく次回クーポンを渡す
- セット型:粗利益の高い商品と組み合わせて値頃感を作る
特に重要なのが次回来店型だ。一回来店した顧客を二回来店させることができれば、広告費を追加せず売上を増やせる可能性がある。吉野家でも8月27日から翌日に使える200円引きキャンペーンを実施しており、再来店を促す仕組みが組み込まれている。
販促効果を売上だけで判断しない
キャンペーン実施時には、客数増加率、客単価、値引き総額、新規客率、再来店率を分けて確認したい。通常1,500円を支払う常連客に300円を値引きしただけなら、販売促進ではなく単純な利益減少になる場合がある。
2026年の物価高環境では消費者の「お得」への関心は高い。しかし店舗側には利益確保も必要である。一律値下げではなく、顧客が商品を選ぶ楽しさや次回来店の理由を作る選択型販促が、今後さらに重要になる。
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