結論:承認サンプルは「確認用」ではなく量産判定の基準品にする
特注椅子、ソファ、テーブル、什器では、量産前の試作品確認が非常に重要です。しかし「サンプルを一度見てOKを出した」で終わると、量産品との色差、寸法差、張り方の違いなどが発生した際に判定基準がなくなります。
そこで実務では、最終承認した試作品を基準品として管理し、量産検品時にも同じ基準で比較できる状態を作ります。
承認項目を文章化する
外観だけでなく、寸法、材料、塗装色、艶、張地、ステッチ、ウレタン硬さ、金物などを記録します。色については写真だけでは照明やカメラによって見え方が変わるため、現物サンプルや承認済み色板を残す方が確実です。
サンプル確認項目
- 全体寸法
- 座面高・座面奥行
- 材料
- 木部色と艶
- 張地品番
- 縫製・ステッチ
- 脚部のがたつき
- 金物の動作
- 見える面の仕上げ
- 裏面・底面の処理
変更履歴を残す
初回試作から最終承認までに変更が発生した場合、「背もたれ角度変更」「座面を10mm低くする」などの履歴を残します。口頭やチャットだけで修正すると、工場内で旧図面が使われる原因になります。最終図面には版番号や日付を付け、量産対象となる図面を一つに限定します。
量産初期品を再確認する
サンプルが良くても量産工程が変われば品質が変わる可能性があります。そのため数量が多い案件では、量産開始後の初期製品を確認してから全量生産へ進める方法が有効です。特に木目、石目、張地の柄など個体差が出る素材では、許容範囲を事前に共有します。
実務チェックポイント
- 承認サンプルに日付を付ける
- 承認者を明確にする
- 最終図面とサンプルを紐付ける
- 色板・張地見本を保存する
- 量産工場にも同じ基準を保管させる
- 量産初期品を確認する
- 変更履歴を一覧化する
特注家具の品質問題は「良い工場か悪い工場か」だけで決まりません。発注者と製造側が同じ完成基準を共有できているかが重要です。承認サンプルを量産品質の契約基準として扱うことで、感覚的な品質判断を大幅に減らせます。
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