結論:海外調達には工程全体を見る責任者が必要

飲食店、ホテル、商業施設の家具・建材調達には、設計会社、工場、商社、検品会社、フォワーダー、通関担当、倉庫、配送会社、施工会社など多数の関係者が参加します。各社が自分の担当工程だけを正しく行っても、工程間の情報がつながらなければプロジェクト全体は成功しません。

そこで重要になるのが、設計から現場引渡しまでを一元管理する調達プロジェクトマネジメントです。

PMが管理する6つの軸

  1. 仕様:何を作るか
  2. 価格:総原価はいくらか
  3. 品質:何を合格とするか
  4. 納期:いつ必要か
  5. 物流:どう運ぶか
  6. 現場:どう受け取り施工するか

一つのマスターリストで管理する

商品ごとに品番、名称、数量、図面番号、承認状況、工場、単価、製造状況、検品結果、梱包数、船積み便、現場必要日を一覧化します。情報が設計表、工場表、物流表へ分散すると、変更の反映漏れが起こりやすくなります。

会議では問題商品だけを見る

100品番ある案件で毎回100品番を確認すると重要事項が埋もれます。「図面未承認」「材料遅延」「検品不合格」「船積み未確定」など、問題がある商品を抽出して管理します。

判断期限を設定する

海外調達では意思決定の遅れがそのまま製造遅延になります。色、材料、サンプルなどについて「いつまでに誰が承認するか」を工程表へ入れます。工場だけでなく発注者側にも納期責任があるという考え方が重要です。

現場引渡しまでが調達

船積みした時点で調達完了と考えてはいけません。日本到着後の通関、倉庫、配送、開梱、施工会社への引渡しまで管理し、数量不足や破損がないことを確認して初めて調達工程が完了します。

実務チェックポイント

  • 商品マスターを一本化する
  • 図面承認状況を管理する
  • サンプル承認期限を設定する
  • 製造進捗を定期確認する
  • 検品結果を商品番号へ紐付ける
  • 物流予定を工程表へ統合する
  • 現場必要日を施工会社と共有する
  • 不良・不足品が解決するまで案件を閉じない

海外家具調達は「安い工場を探して輸入する仕事」ではありません。設計情報を製造可能な仕様へ変換し、品質を確認し、安全に輸送し、必要な日に施工会社へ渡す一連のプロジェクトです。調達PMが全工程を横断して管理することで、海外製造の価格メリットを維持しながら、納期・品質・現場リスクをコントロールできます。