複数店舗の商品を一つのカートで注文

favyは2026年8月26日、商業施設向けモバイルオーダーに、施設内の複数店舗の商品を横断して一括注文・事前決済できるモデルを追加した。第1号としてBLUE FRONT SHIBAURAのフードホールで8月19日から運用を開始している。従来は店舗ごとに注文と決済が必要だったが、新システムでは複数店の商品を同じカートに入れて一度に決済できる。

テナント単位から施設単位のDXへ

フードホールでは家族やグループが別々の店舗の商品を注文する場面が多い。店舗ごとの会計をなくせば利用者の手間が減り、施設内の回遊やクロスセルを促せる可能性がある。店舗側でもレジ対応時間を減らし、調理や受け渡しへ人員を集中させやすくなる。

配膳ロボットと無人販売の実証も進む

アスタリスクは8月、新型配膳ロボットAsReader HAKOBUの実証運用を飲食店舗で開始し、キャッシュレスの無人販売BOXや将来的なRFID在庫管理などを組み合わせた店舗DXを発表した。またGMOフィナンシャルゲートはローソンと、LINEから注文・決済して受け取るモバイルオーダーの実証を進めている。

これらに共通するのは、単にロボットを1台置くのではなく、注文、決済、配膳、在庫、テイクアウトといった店舗業務をつなげようとしている点だ。

DX導入前にボトルネックを確認する

飲食店が失敗しやすいのは、新しい技術を導入すること自体が目的になるケースである。注文が遅いのか、調理が遅いのか、会計に行列ができるのか、下げ膳に時間がかかるのかによって導入すべき技術は違う。厨房がボトルネックなのに注文だけ高速化すれば、未提供注文が増えて顧客満足度が下がる可能性もある。

AIはスタッフをゼロにする技術ではない

現在の飲食DXの現実的な目的は、すべてを無人化することより、人が行う必要のない反復作業を減らし、接客、調理品質、クレーム対応など人にしかできない仕事へ時間を移すことにある。導入効果は削減人数だけでなく、注文ミス、回転率、客単価、待ち時間、スタッフ残業時間などで評価するべきだ。

2026年はシステム間連携が競争軸

POS、予約、モバイルオーダー、決済、在庫が別々に存在すると、スタッフが何度も同じ情報を入力することになる。今後の飲食DXで重要なのは機器の性能だけでなく、既存システムとデータ連携できるかどうかだ。人手不足が続く外食業界では、単体機器から店舗オペレーション全体を設計する段階へ移りつつある。

参考・出典