7月として過去最高の訪日客数
日本政府観光局が2026年8月19日に公表した推計によると、7月の訪日外客数は344万2100人となり、前年同月比0.1%増で7月として過去最高を記録した。韓国、台湾、インドネシア、米国、フランスなど17市場で7月として過去最高となり、台湾は単月で初めて70万人を超えた。
市場全体の伸び率だけを見ると0.1%だが、国・地域別には大きな違いがある。中東地域からの訪日客は前年同月比41.0%増の2万8200人となり、3カ月連続で当該月として過去最高となった。
旅行消費額も高水準
観光庁のインバウンド消費動向調査では、2026年4〜6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5096億円で前年同期比0.2%増。一人当たり旅行支出は24.4万円で前年同期比3.3%増となった。消費額上位は米国、台湾、中国、韓国、香港の順だった。
訪日人数だけでなく、一人当たり支出額が高い市場をどのように取り込むかが飲食店にとって重要になる。
「英語メニューだけ」で終わらせない
外国人対応というと英語メニューを用意することが最初に考えられる。しかし来店客の国籍は多様化しており、中国語、韓国語などへの対応や、写真付きメニュー、アレルギー表示、宗教・食習慣に関する情報も重要になる。
インバウンド対応で整備したい項目
- 写真付きメニュー:料理内容を視覚的に理解できるようにする。
- 多言語表記:主要料理や注文方法を複数言語で案内する。
- キャッシュレス:海外発行カードなど利用可能な決済方法を確認する。
- アレルギー情報:原材料を確認できる体制を作る。
- Googleマップ:外国語検索から店舗を見つけられるよう情報を整える。
高単価市場には体験価値
一人当たり旅行支出が高い外国人旅行者に対しては、単純な値下げよりも日本らしい体験を提供する方が付加価値を作りやすい。料理人による説明、地域食材、調理工程を見せるカウンター席、酒や料理のペアリングなどは体験そのものを商品化できる。
地方飲食店にも機会
政府の観光政策では地方部への宿泊・消費拡大も重要テーマとなっている。東京、大阪、京都だけでなく地方都市でも外国人旅行者を取り込む機会が広がる可能性がある。
ただしインバウンド需要だけに依存するのはリスクがある。航空便、為替、国際情勢などによって国別旅行需要は短期間で変化するため、国内客を基本にしながら外国人需要を上乗せする経営が望ましい。2026年のインバウンド市場は「外国人観光客」という一括りの顧客ではなく、国籍、旅行目的、支出額ごとに細分化して対応する段階に入っている。
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