上半期で過去最多を更新
帝国データバンクが2026年7月22日に公表した調査によると、2026年上半期に発生した飲食店の倒産は473件となった。前年同期の458件を15件、3.3%上回り、上半期として過去最多を更新した。4年連続の増加である。
負債総額は約245億9200万円で、前年同期から36.6%増加した。倒産した企業の78.0%に当たる369件が負債5000万円未満の小規模事業者であり、経営基盤の弱い中小・零細飲食店ほど環境変化への対応が難しくなっていることが分かる。
特に厳しい居酒屋業態
業態別では「酒場・ビヤホール」が125件で最も多く、前年同期の105件から19.0%増加し過去最多となった。コロナ禍を経て二次会や大型宴会が減少したことに加え、家庭での飲酒、少人数での飲食、一人客など消費行動が変化している。
さらに酒類を提供する店舗では営業時間が長くなりやすく、人件費負担も大きい。厨房設備、空調、冷蔵庫などによる電力負担も重く、食材価格だけでは説明できない複合的なコスト高が利益を圧迫している。
値上げできない店ほど危険
帝国データバンクの過去の価格転嫁調査では、飲食店の価格転嫁率は全業種平均を下回っていた。客離れを恐れて値上げできない一方、仕入れ、人件費、家賃は上昇するため、売上高が維持されていても資金繰りが悪化するケースが生まれる。
経営者が早期に確認したい兆候
- 原価率が毎月上昇しているにもかかわらずメニュー価格を変更していない。
- 売上は前年並みでも現預金が減少している。
- 店主の労働時間を増やして利益を維持している。
- 借入金返済後のキャッシュが残らない状態が続いている。
再生は早いほど選択肢が多い
赤字が深刻になる前であれば、メニュー削減、営業時間短縮、家賃交渉、不採算店舗撤退、事業譲渡など複数の選択肢がある。反対に資金が完全に尽きてからでは、経営改善に必要な投資すら行えなくなる。
今後も原材料費、人件費、賃料の上昇圧力が続く可能性があるため、閉店を避ける最大のポイントは売上拡大だけではない。毎月の損益分岐点を把握し、利益が出ない時間帯や商品を削る経営判断が重要になる。飲食業界の倒産増加は需要不足だけではなく、コスト構造そのものが変化していることを示している。
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