結論:賃料比率ではなく店舗利益から逆算する
飲食店物件を探す際、「家賃は売上の10%以内」などの目安が使われることがあります。しかし業態によって原価率、人件費率、客単価、回転率が異なるため、一律の比率だけで物件を判断するのは危険です。重要なのは、その物件で現実的に作れる売上と利益から支払可能賃料を逆算することです。
まず物理的な売上上限を考える
売上予測は希望額から作るのではなく、席数、客単価、回転数、営業日数から考えます。例えば客席数が少ない高賃料物件では、満席が続いても売上上限が低い可能性があります。テイクアウトやデリバリー売上がある業態なら別枠で計算します。
席数は専有面積では決まらない
募集面積が広くても、厨房、トイレ、倉庫、通路などに面積を取られれば客席数は減ります。柱が多い、形状が悪い、避難動線を確保する必要があるといった条件でも席効率は変わります。契約前にラフレイアウトを作り、実際に何席設置できるか確認します。
売上から店舗利益を組み立てる
想定売上から食材原価、人件費、水道光熱費、決済手数料、広告費、消耗品、ロイヤルティ等を差し引きます。その上で賃料・共益費を負担しても必要利益が残るかを確認します。売上だけ高くても、原価や人件費が高い業態では高賃料を負担できない場合があります。
共益費と付帯費用を加える
賃料だけで比較せず、共益費、看板料、ゴミ処理費、設備使用料等の固定費を合算します。消費税の取扱いも契約条件で確認し、毎月の実質固定支出を把握します。
保守的な売上でも耐えられるか
出店計画では「標準」「好調」だけでなく「低調」のケースを作ります。開業直後、季節変動、競合出店などで売上が想定を下回っても資金繰りを維持できる賃料か確認します。満席前提でしか利益が出ない物件はリスクが高いと考えるべきです。
物件比較表を作る
| 項目 | 物件A | 物件B |
|---|---|---|
| 月額固定賃料等 | 要入力 | 要入力 |
| 想定席数 | 要入力 | 要入力 |
| 想定客単価 | 要入力 | 要入力 |
| 想定回転 | 要入力 | 要入力 |
| 標準月商 | 要計算 | 要計算 |
| 営業利益 | 要計算 | 要計算 |
高賃料でも合理的な場合
1階路面、広い間口、強い人流などによって広告費を抑えながら高売上を実現できるなら、高賃料が必ずしも悪いわけではありません。反対に安い物件でも集客力が弱く売上が作れなければ割高です。
まとめ
飲食店の適正賃料は「相場」だけでは決まりません。その物件で作れる席数、客単価、回転数、売上、コスト構造から逆算して初めて判断できます。賃料比率は結果として確認する指標とし、物件ごとの損益モデルを作って契約してください。
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