9月30日まで申請受付の補助制度

中小企業庁は2026年6月30日、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募要領を公表した。中小企業庁の公募一覧によれば、申請受付期間は8月31日から9月30日までとなっている。技術的革新性のある製品・サービス開発、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた設備投資などを支援する制度である。

飲食店だから自動的に採択対象になるという意味ではない。通常営業用の設備を単純に買い替えるだけではなく、公募要領が定める事業目的や要件に該当する計画であることが必要だ。申請前には必ず最新の公募要領を確認すべきである。

11月には持続化補助金の受付予定

小規模事業者向けでは、「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回」の公募要領も公開されている。中小企業庁によれば、申請受付期間は11月5日から12月15日の予定で、事業者が自ら策定した経営計画に基づく販路開拓などを支援する。

飲食店では看板、販促、ウェブサイト、店舗改装などが関係する可能性があるが、補助対象経費や条件は公募ごとに異なる。対象になると決めつけて契約や発注を先行すると、補助対象外になる場合があるため注意が必要だ。

補助金を理由に設備を買わない

補助制度の最大の注意点は、「補助されるから投資する」という順序にならないことである。100万円の設備に補助が付いたとしても、その設備が売上増加や人件費削減を生まなければ、残りの自己負担や維持費が経営を圧迫する。

  • 導入前後で何時間の労働を削減できるか
  • 年間の追加売上はいくらか
  • 保守費・システム利用料はいくらか
  • 補助金がなくても必要な投資か
  • 資金支出から補助金受領まで資金繰りが可能か

補助金は原則として経営戦略の一部

飲食店の設備投資では、厨房機器、セルフレジ、予約システム、モバイルオーダー、省エネ設備など候補が多い。しかし投資効果は店舗によって異なる。人手不足が問題の店舗では省力化が優先される一方、客数不足の店舗では集客や商品開発への投資が先になる。

また補助金では申請、審査、採択、交付決定、事業実施、実績報告など複数の段階がある。採択されればすぐ現金を受け取れる制度とは限らないため、自己資金や金融機関借入を含めた資金計画が必要だ。

2026年秋は公募時期を逆算して準備

9月30日締切の制度と、11月以降に申請受付予定の制度では準備スケジュールが異なる。申請直前に計画を作るのではなく、今後3年間の売上、人員、生産性、投資額を整理した上で、自社の経営課題と一致する制度だけを利用することが重要である。

補助金は経営不振を自動的に救済する資金ではない。将来の利益や生産性を高める事業計画が先にあり、その実行を支援するものとして利用することが、飲食店経営における基本姿勢となる。