DXへの関心が続く飲食業界

ホットペッパーグルメ外食総研は2026年7月14日、2026年度の「飲食店のDXに対する興味・関心と導入状況・効果の調査」を公表した。同総研では毎年、飲食店経営者を対象にデジタルツール導入や経営課題を調査しており、セルフオーダー、キャッシュレス、POS、予約管理などが継続的なテーマとなっている。

過去の同調査ではセルフオーダー・スマホオーダーについて効果を実感する回答が高く、人手不足や店舗オペレーション改善との相性が注目されてきた。

全部を機械にする必要はない

一方、外食総研が8月19日に公表した消費者調査では、外食における「人によるサービス」へのニーズも継続して調べられている。これまでの調査では、注文や会計はデジタルでも構わないという消費者が多い一方、調理や高級店での接客などでは人によるサービスへの期待が強い傾向が確認されている。

飲食店DXで重要なのは人をゼロにすることではなく、人が行うべき仕事と機械に任せる仕事を分けることである。

デジタル化しやすい業務

  • 予約受付:営業時間外でも予約を受け付ける。
  • 注文:スマホやタブレットで入力作業を削減する。
  • 会計:セルフレジやキャッシュレスを利用する。
  • 売上分析:POSから商品別、時間別データを取得する。
  • 需要予測:過去の販売データをAIなどで分析し仕込み量を調整する。

AIは判断補助として利用する

AIを利用すれば売上予測、シフト案作成、口コミ分析、メニュー説明文の作成など幅広い作業を支援できる。ただし食材発注や人員配置を完全自動化する場合は、イベント、天候、近隣施設の状況などデータに入っていない要素で予測が外れることがある。

最終判断を店舗責任者が行い、AIは候補や予測を提示する補助ツールとして利用する方が現実的だ。

DX導入は投資回収まで計算する

月額3万円のシステムでも年間では36万円になる。機器代、決済手数料、保守費用などを合わせれば大きな固定費になるため、「便利そう」という理由だけで導入すべきではない。

一日に削減できる作業時間、追加注文増加額、予約取りこぼし減少額などを数字にして投資効果を確認したい。2026年の飲食DXは導入するかしないかの議論から、「どの業務をデジタル化すると最も利益が増えるか」を選択する段階へ進んでいる。