2026年7月、外食売上は前年を6.8%上回る
日本フードサービス協会が8月25日に公表した2026年7月の外食産業市場動向では、外食全体の売上高が前年同月比6.8%増、客数が3.2%増、客単価が3.5%増となった。注目すべきなのは、ここ数年の外食売上増加を支えてきた価格改定だけではなく、客数も明確にプラスとなっている点だ。店舗数も前年を上回っており、外食市場はコスト上昇への価格転嫁と需要回復が同時に進む局面に入っている。
ファストフードからディナーレストランまで幅広く成長
業態別ではファストフードが売上7.5%増、ファミリーレストランが5.7%増、ディナーレストランが9.5%増となった。和風ファストフードや焼肉など、客数の伸びが売上増につながったカテゴリーも目立つ。一方、居酒屋も売上5.1%増となったものの、店舗数は前年を下回っており、市場全体の回復と店舗淘汰が同時に進んでいることが分かる。
経営者が見るべき数字は売上だけではない
飲食店経営では、売上前年比だけを見て市場が好調と判断するのは危険だ。原材料、物流、人件費、家賃、電気料金など多くのコストが上昇しており、売上が5%増えても営業利益が増えるとは限らない。今回の統計で重要なのは、客数と客単価がともに増えた点である。値上げ後も客数が維持できるブランドと、値上げによって客離れが起きる店舗の差が今後さらに広がる可能性がある。
例えば、単純な一律値上げではなく、低価格の入口商品を残しながら高付加価値商品を追加する方法、ランチとディナーで価格設計を変える方法、セットやトッピングによって客単価を引き上げる方法などが重要になる。価格ではなく商品構成を変えることで粗利益を確保する発想が必要だ。
猛暑への対応も売上を左右
2026年夏は猛暑も店舗運営の大きな要素となった。飲食店ドットコムの調査では、夏季営業に不安を感じる飲食店が多く、暑さによる客足減少や光熱費上昇が経営課題として挙げられている。つまり、業界平均がプラスでも、駅から遠い店舗、昼間の徒歩客に依存する店舗、空調効率が悪い店舗などでは状況が異なる。
今後は客数を維持しながら粗利益を確保できるか
外食業界では、値上げそのものが珍しい時代ではなくなった。今後の競争軸は、値上げ後も来店理由を作れるかどうかである。季節限定商品、会員制度、予約、テイクアウト、モバイルオーダー、地域限定メニューなどを組み合わせ、価格以外の価値を明確にする店舗が有利になる。2026年7月の数字は外食需要の底堅さを示す一方、売上成長を利益成長へ転換できる経営力がより問われる局面に入ったことを示している。
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