飲食料品卸の倒産が上半期133件
帝国データバンクが2026年7月8日に公表した調査では、2026年上半期の飲食料品卸売業者の倒産は133件となりました。年間では前年の257件を上回るペースで、3年連続で250件を超える可能性があるとされています。各種資材、人件費の上昇に加え、農畜産物や水産物では天候や水揚げ量の変動も経営を圧迫しています。
飲食店経営者が倒産リスクを考えるとき、多くは自店の売上や借入に目を向けます。しかし営業を続けるためには、米、肉、魚、野菜、酒類、調味料、包材などを安定して仕入れられることが前提です。主要仕入先が突然営業停止すれば、自店の財務状態に問題がなくてもメニューを提供できなくなります。
一社集中は価格面では有利でもリスクがある
仕入れを一社へまとめると発注作業を簡素化でき、購入量を増やして価格交渉もしやすくなります。一方、障害が発生した際には代替調達が難しくなります。特に看板商品の主要食材については、同等規格を供給できる別の卸や生産者を確認しておく必要があります。
仕入先管理で確認したいこと
- 主力食材に第二仕入先があるか
- 納品停止時に何日分の在庫があるか
- 価格改定の通知期間が契約上どうなっているか
- 代替品を使った場合にメニュー品質を維持できるか
- 支払条件が自店の資金繰りに合っているか
安い仕入先だけを追わない
仕入価格が1%低いことは魅力ですが、欠品が多い、納品時間が不安定、品質差が大きい場合には店舗オペレーションのコストが増えます。食材原価だけでなく、欠品による販売機会損失、検品時間、緊急調達費用まで含めて仕入先を評価する必要があります。
価格転嫁できない卸は取引先にも影響する
卸売業者が物流費、人件費、仕入価格の上昇を十分に販売価格へ転嫁できなければ、利益が圧迫されます。その状態が長期化すると、突然の値上げや取引条件変更、事業撤退につながる可能性があります。飲食店側も一方的な値下げ要求を続けるのではなく、安定供給を含めた取引全体の価値を見る必要があります。
サプライチェーンを経営会議のテーマに
2026年の飲食業界は店舗側だけでなく、卸売や物流など周辺企業もコスト高の影響を受けています。主要食材について仕入先、代替品、在庫日数を一覧化しておけば、緊急時の判断を速くできます。サプライチェーン管理は大企業だけの仕事ではなく、小規模飲食店にも必要な事業継続対策です。
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