国内379店舗からさらに出店
プレナスは2026年9月2日、定食レストラン「やよい軒 京都吉祥院店」を新規オープンした。同社によると、やよい軒は2026年8月末時点で国内379店舗を展開している。今回の店舗は単純な店舗数拡大というより、ブランドイメージと店舗体験を刷新する実験的な意味を持つ出店として注目される。
京都吉祥院店では、2023年に公開された新しいブランドイメージを反映し、モダンな和を意識した暖簾や歴史資料をモチーフにした壁紙などを採用した。さらにテーブル設置型タブレットによる注文、店舗限定デザート、ドリンクバーを導入している。
定食店でも「食べるだけ」から滞在価値へ
従来の定食チェーンは、短時間で注文し、食事を終え、退店する高回転型のビジネスモデルが中心だった。しかし、カフェやファミリーレストランとの競争が強まるなか、利用目的を食事だけに限定しない店舗作りが重要になっている。
ドリンクバーやデザートの導入は滞在時間を伸ばす可能性がある一方、追加注文による客単価向上も期待できる。経営上重要なのは、単純に席の回転率を最大化するより、一席・一時間当たりの粗利益を最大化するという考え方である。
タブレット注文の意味
注文端末を各テーブルに置けば、スタッフが注文を取りに行く作業を削減できる。注文待ちを減らし、追加注文を促進する効果も期待される。また新人スタッフでも業務を覚えやすくなり、人材育成コストの削減にもつながりやすい。
ただしデジタル化だけで成功するわけではない。高齢客や端末操作を好まない顧客への対応、機器障害時の運用、メニュー画面の見やすさなどを同時に設計する必要がある。
中小飲食店が学べるポイント
- 店舗デザインとブランドを一致させる:看板、内装、メニューを一つの世界観として設計する。
- 追加注文を作る:デザートやドリンクなど粗利益を確保しやすい商品を組み込む。
- DXを省人化だけで考えない:注文機器を顧客満足や追加注文にも利用する。
新規出店の評価基準も変わる
人件費と建築・内装費が上昇する現在、店舗数を増やすだけでは投資回収が難しい。新しい店舗では、売上高だけでなくスタッフ一人当たり売上、テーブル当たり売上、追加注文率などを検証することが重要である。京都吉祥院店は、定食業態がどこまでカフェ的な滞在価値と効率的なオペレーションを両立できるかを考える上で興味深い事例となる。
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