結論:相見積もりは同一仕様・同一取引条件にして初めて比較できる

店舗家具を複数の工場や商社から見積もると、同じ椅子に見えても価格差が大きく出ることがあります。しかし、その差を単純に「高い・安い」で判断するのは危険です。木材の樹種や含水状態、合板の種類、ウレタン密度、張地、塗装工程、金物、梱包方法などが違えば、商品そのものが別物だからです。

最初に見積仕様書を作る

比較精度を高めるには、図面だけを送って見積依頼するのではなく、仕様表をセットにします。最低でも寸法、主要材料、表面仕上げ、色、張地、金物、数量、梱包条件、納品条件を指定します。

比較項目 確認内容
本体 樹種・鋼材・合板等
仕上げ 塗装・メッキ・化粧材
張地 品番・性能・必要数量
梱包 箱・木枠・パレット
物流 どこまで価格に含むか
検品 検品方法と再製作条件

単価ではなく着地原価を見る

海外調達では工場単価以外にも、輸出側物流、港湾費用、海上運賃、保険、輸入通関、税金、国内配送、倉庫、検品などが発生します。したがって経営判断に使うべき数字は、工場から提示された商品価格だけではなく、現場または国内指定倉庫まで運ぶための総費用です。

特に少量発注では、商品価格より物流固定費の比率が高くなることがあります。逆にコンテナ単位で効率的に積載できれば、一脚・一台当たりの物流費を抑えられる可能性があります。

安い見積もりほど除外項目を確認する

価格が極端に低い場合には、何が含まれていないかを確認します。例えば輸出梱包が簡易仕様、指定張地が別料金、金物が標準品、試作品費用が別途、組立費が含まれていないといったケースです。

実務チェックポイント

  • 全社へ同一図面・仕様書を配布する
  • 数量条件を統一する
  • サンプル費用を確認する
  • 梱包費の内外を確認する
  • 不良品の再製作条件を確認する
  • 輸送条件を統一する
  • 納期を価格と同時に比較する
  • 追加費用になり得る項目を一覧化する

相見積もりの目的は最安値を探すことではありません。同じ品質、同じ納期、同じ責任範囲に換算したとき、どの調達先が最も合理的かを判断することです。価格表だけではなく、仕様と責任範囲まで比較することが店舗調達の基本です。