結論:出荷前検品は「傷を見る作業」ではない

海外家具の出荷前検品では、外観だけでなく、数量、仕様、寸法、機能、安定性、梱包、ラベルまで確認する必要があります。日本へ輸送した後に不良が判明すると、再製作費以上に再輸送、保管、再搬入、工程遅延などのコストが発生するためです。

最初に数量と品番を確認する

大型店舗では数十種類の商品が混載されることがあります。商品自体が良品でも数量不足や品番違いがあれば現場は完成しません。PO、パッキングリスト、完成品数量を照合します。

寸法検査は現場納まりを意識する

椅子の数ミリ差より、壁間に設置する造作家具やカウンターの寸法差の方が重大になる場合があります。重要寸法を図面上で指定し、検査員が測定すべき箇所を明確にします。

主な検査項目

  • 品番・数量
  • 全体寸法
  • 色・艶・木目
  • 張地・ステッチ
  • 傷・汚れ・欠け
  • 椅子やテーブルのがたつき
  • 引出し・扉・金物の動作
  • 付属部品
  • 梱包状態
  • 外箱表示

不良をA・B・Cで分類する

検品結果を単純な合格・不合格だけにすると判断が難しくなります。例えば使用不能や安全性に関係する重大不良、外観上目立つ不良、軽微な補修可能不良などに分類すると、出荷可否を判断しやすくなります。

重要なのは、検品会社任せに合否を決めさせるのではなく、発注者側で許容基準を設定することです。

梱包後にも確認する

家具本体が良品でも梱包が弱ければ輸送中に破損します。角部保護、部材同士の接触防止、箱内部の固定、防湿、外箱強度などを確認します。また商品番号と設置場所を外箱へ表示すると、国内配送後の仕分けが容易になります。

実務チェックポイント

  • 検品前に最終図面を共有する
  • 重要寸法を指定する
  • 数量を照合する
  • 不良判定基準を決める
  • 修正前後の写真を残す
  • 梱包状態まで検査する
  • 再検品の要否を決める
  • 検品合格後に船積みを許可する

出荷前検品は海外調達における最後の品質ゲートです。日本到着後では修正コストが急増するため、「工場で直せる問題は工場で直す」という原則で運用することが重要です。