結論:海外調達予算は見積日の円換算額だけで確定しない

海外調達では、工場価格が変わらなくても為替変動によって円換算原価が変化します。見積取得から契約、前金、残金、船積みまで数か月かかる案件では、この差がプロジェクト予算に影響する可能性があります。

どの通貨で契約するか確認する

まず工場見積がどの通貨建てかを明確にします。また支払条件が前金・中間金・残金に分かれる場合、それぞれ支払時期が違うため、円換算額も変動します。

予算には為替バッファを設定する

社内予算を作る際は、その日の為替レートだけでぎりぎりに計算するのではなく、一定の変動を想定した予備費を設ける考え方があります。どの程度を設定するかは案件期間、契約通貨、企業のリスク方針によって判断します。

商品価格と物流費を分ける

海外調達では商品代だけでなく海上運賃なども変動する可能性があります。商品価格、国際物流、国内物流、税金、検品費などを別項目にしておけば、どこで予算差が生じたか把握できます。

追加発注時にも注意する

初回契約後に数量追加や仕様変更があると、追加部分だけ別レートで支払うことになります。設計変更を承認する際には、工場単価だけでなく円換算した追加予算を確認します。

実務チェックポイント

  • 契約通貨を確認する
  • 見積有効期限を確認する
  • 支払スケジュールを作る
  • 円換算予算に余裕を持たせる
  • 物流費を別管理する
  • 追加変更を円換算で承認する
  • 支払実績レートを記録する

為替の将来値を正確に予測することはできません。調達担当者が行うべきことは予測ではなく、変動してもプロジェクト予算が破綻しない管理構造を作ることです。