結論:検品は到着後ではなく発注前から始める

海外調達で最も大きな失敗は、日本へ到着してから仕様違いに気付くことです。家具や建材は返品輸送費が高く、開業直前では再製作を待てません。そのため発注仕様、サンプル承認、製造中確認、出荷前検品、国内受入検査という段階管理が必要です。

基準サンプルを一つ決める

色や質感を文章や画面だけで決定すると認識差が生じます。承認した現物サンプルを基準として保管し、量産品を比較できるようにします。木材や天然石など個体差がある材料では、許容する色幅も合意します。

図面に寸法と公差を入れる

「約600mm」のような曖昧な指示では、現場に納まらない可能性があります。家具なら外寸だけでなく取付穴、脚位置、配線孔など現場接続に必要な寸法を記載します。建材では厚みやモジュール寸法も確認します。

日本で必要な法令・性能を別途確認する

海外で販売できる製品だから日本の店舗でそのまま使用できるとは限りません。例えば内装材料のホルムアルデヒド、防炎対象物品、電気製品などは用途に応じた確認が必要です。輸入代行会社だけに任せず、設計者や施工会社と採用可否を確認します。

出荷前検品を行う

数量、寸法、色、外観、梱包、付属品を出荷前に確認します。大量家具では全数検査が難しい場合もあるため、重要項目と検査方法を事前に決めます。写真だけで判断できない寸法は計測写真を求めます。

輸送破損を想定する

製造品質が良くても輸送中に破損する可能性があります。角部保護、積載方法、防湿、木箱の必要性を製品特性から判断します。開梱時は破損状況を写真で記録し、梱包を捨てる前に数量確認を行います。

実務チェックポイント

  • 承認サンプルを保存する
  • 図面に材料・寸法・色を明記する
  • 日本で必要な法令・性能を確認する
  • 出荷前に数量と外観を検品する
  • 予備品・補修部品を同時発注する
  • 通関・国内配送を含む納期余裕を取る

海外調達の成功は単価の安さではなく、予定日に仕様通りの製品を現場へ納められるかで評価すべきです。検品工程を契約条件に組み込むことが重要です。