コメ価格を継続的に確認する必要性

農林水産省は2026年8月時点で、令和7年産米について7月までの相対取引価格、契約数量、販売状況、民間在庫などを公開している。コメは定食、丼、寿司、カレー、焼肉など幅広い外食業態に共通する基幹食材であり、価格変動は単一メニューではなく店舗全体の原価率に影響する。近年の急激な価格変化を経験した飲食店にとって、年間契約や仕入先任せではなく、公的データを定期的に確認する重要性が高まった。

重要なのは仕入価格だけではない。帝国データバンクによると、2026年上半期の飲食料品卸売業者の倒産は133件となり、年間では前年の257件を上回るペースで推移している。農畜産物や水産物は天候、水揚量、エネルギー価格、物流費など複数の要因で調達環境が変わるため、仕入先そのものの経営安定性も店舗経営のリスクとなる。

一社依存の仕入れはリスクが高まる

従来は長年付き合いのある卸業者一社からまとめて購入する方法が効率的だった。しかし、供給不足や卸業者の経営悪化が起きた場合、代替ルートを突然探すことになる。特に米、油、肉、魚、乳製品など売上の中心となる食材については、第二仕入先を事前に確保しておくことが重要だ。

原価管理は月次から商品別へ

  • 主要食材の単価:前月比、前年同月比を記録する
  • 一皿原価:仕入価格が変わった時点で再計算する
  • 歩留まり:単価だけでなく可食部ベースで比較する
  • 代替食材:品質を維持できる第二候補を準備する

例えば米価格が上昇した場合、ご飯の量を単純に減らせば顧客満足度を損なう恐れがある。小盛り・普通・大盛りの選択制、セット構成変更、廃棄量の削減など、顧客価値を落とさず原価を調整する方法を検討したい。

2026年秋は「調達力」が競争力になる

大手チェーンは大量購入や長期契約を通じて仕入価格を安定させやすいが、小規模店には機動力という利点がある。旬の食材への切り替え、地域食材の利用、メニュー変更の速さなどを生かせるからだ。価格高騰を一時的な問題と考えるのではなく、仕入価格、在庫、取引先リスクを定期的に確認する仕組みを持つことが、今後の飲食店経営では不可欠になっている。