家計消費には明確な慎重さが表れている
2026年後半の外食市場を考えるうえで無視できないのが、家計の購買力です。総務省が8月7日に公表した家計調査によると、2026年6月の二人以上世帯の消費支出は1世帯当たり29万886円で、物価変動を除いた実質では前年同月比3.3%減少しました。家計全体で支出を選別する動きが強まれば、外食も価格、頻度、利用目的をこれまで以上に比較されやすくなります。
一方で物価は前年を上回る
総務省の2026年7月全国消費者物価指数では、総合指数が2025年を100として102.0となり、前年同月比1.9%上昇しました。生鮮食品を除く総合指数も1.8%上昇しています。消費者から見れば日常生活全体の支出額が増えやすい環境であり、外食に使える可処分所得が圧迫される可能性があります。
外食では二極化が進みやすい
こうした局面では、単純に安い店だけが勝つとは限りません。節約したい日は低価格チェーンや自炊を選び、特別な日には満足度の高い店に支出するというメリハリ消費が強まりやすくなります。中価格帯で特徴が弱い店舗ほど、価格比較の影響を受けやすいと考える必要があります。
飲食店側が検討すべきなのは、値下げではなく価格設計です。例えば入口商品は注文しやすい価格に抑えながら、トッピング、サイドメニュー、デザート、ドリンクで満足度と客単価を高める方法があります。また量を一律に増やすより、通常サイズと小容量、高付加価値版を用意することで、異なる予算の顧客を取り込めます。
- 価格帯を一つに固定せず選択肢を作る
- セット商品で支払総額を分かりやすくする
- 看板商品を明確にして比較されにくくする
- 再来店理由となる季節商品や限定メニューを用意する
価格改定時は客数の変化まで追う
値上げを実施した店舗は、客単価だけを見ると成功したように見えることがあります。しかし客数や来店頻度が下がれば、中長期的には顧客基盤が縮小します。POSや予約データを使い、値上げ前後で新規客、リピーター、注文点数、時間帯別客数がどう変化したかを確認することが必要です。
今後の注目点
家計調査の7月分は9月4日に公表予定であり、夏休み需要が家計消費にどう表れたかが次の判断材料になります。2026年後半は、物価上昇下でも支払う理由を顧客に説明できる店と、価格だけで比較される店との差が広がる局面になりそうです。飲食店にとって必要なのは、安売りではなく価値と価格の関係を明確にすることです。
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