9月は4923品目が値上げ

帝国データバンクが2026年8月31日に公表した主要食品メーカー195社の価格改定調査によると、9月の飲食料品値上げは4923品目となり、2026年で最も多い単月値上げとなった。1回当たりの平均値上げ率は11%で、1月から11月までに判明した値上げ品目は1万9083品目に達している。年間2万品目への到達が確実とされ、前年の2万609品目を上回る可能性が示されている。

原材料だけでなく物流・包装資材も上昇

8月の調査では原材料高だけでなく、物流費や包装・資材費も値上げ要因として広く挙げられた。外食店にとって問題なのは、肉や野菜のように分かりやすい主原料だけではない。油、調味料、冷凍食品、麺、ソース、容器、ラップ、テイクアウト資材など、1品当たりでは小さな金額の上昇が積み重なり、最終的な原価率を押し上げる。

例えば販売価格1000円、食材原価300円の商品で原価が10%上昇すると330円になる。1食当たり30円でも月5000食なら15万円の負担増となる。店舗数が増えれば影響はさらに大きい。

原価率ではなく粗利益額で考える

飲食店では原価率30%など一定比率を目標とする考え方が一般的だが、物価上昇期には粗利益額も同時に見るべきである。原価率が多少高くても客単価や注文点数を増やせる商品と、原価率が低くてもほとんど注文されない商品では経営への貢献度が違う。

また、値上げ時には全商品を同じ割合で上げる必要はない。価格感度の低い追加トッピング、ドリンク、デザートなどで利益を確保し、集客商品の価格を抑える方法もある。人気商品の量を減らすだけでは顧客満足度を損なう可能性があり、メニュー構成全体で調整する方が望ましい。

仕入れ先を1社に固定しない

価格上昇局面では複数仕入れ先から定期的に見積もりを取得し、価格だけでなくロット、配送頻度、品質、支払条件を比較する必要がある。ただし最安値だけを追えば品質のばらつきや欠品リスクが高まるため、主要食材と代替可能食材を分けて管理することが重要だ。

2026年秋はメニュー改定のタイミング

9月以降も多数の値上げが予定されているため、2026年春に原価計算を行った店舗でも数字が古くなっている可能性がある。各料理について最新仕入れ単価、歩留まり、廃棄率を再計算し、利益の出ない商品を把握する必要がある。仕入れ価格の変化が激しい現在、メニュー原価の確認を年1回の作業ではなく月次管理へ移行することが飲食店経営の基本になりつつある。

参考・出典