既存商品を組み合わせるメニュー戦略
吉野家は2026年9月3日から、対象トッピング8種類を50円引きで提供する「トッピング祭」を開始した。対象には明太高菜マヨ、ねぎ玉子、クワトロチーズ、ねぎラー油、キムチ、鬼おろしポン酢、肉味噌ねぎ、特製とろろなどが含まれる。同時に、自分の好きな牛丼の食べ方やセットを「推し牛」として提案する企画も展開している。
同社は8月27日から秋の定番となる月見商品として「月見牛とじ御膳」「月見牛とじ丼」も販売しており、季節商品と既存の牛丼を並行して訴求している。
新商品を作らなくても新しい体験は作れる
飲食店の商品開発というと、完全に新しい料理を考えることに注目しがちだ。しかし新商品は新食材、調理教育、在庫管理、オペレーション変更など多くのコストが発生する。
一方、既存商品にトッピングを組み合わせる方法なら、食材や調理工程を大幅に増やさず商品バリエーションを拡大できる。顧客自身が組み合わせを選ぶ仕組みは、「自分だけの商品」という体験価値も作りやすい。
トッピングが利益を作る理由
主力商品の価格を100円上げると価格への抵抗感が生まれる場合がある。しかし100円や200円の追加商品であれば、顧客が自発的に購入するため価格への心理的抵抗が小さい。しかもソース、卵、チーズ、薬味などは比較的オペレーション負担が小さく、商品によっては高い粗利益率を確保しやすい。
- 主力商品で来店理由を作る。
- トッピングで客単価を上げる。
- 季節商品でニュース性を作る。
- SNS投稿で顧客自身に組み合わせを紹介してもらう。
メニュー数を増やしすぎないことも重要
バリエーションを増やす際には、厨房在庫を増やさないことが重要である。例えば10種類の新料理を作るのではなく、3種類の基本商品と5種類の追加食材を組み合わせれば、多数の選択肢を提供できる。
これは個人店でも実践できる。ラーメンなら味玉やチャーシュー、カレーならチーズや卵、居酒屋なら薬味や追加ソースなど、既存食材の再編集によって商品開発を行える。
今後のメニュー開発は「商品数」より組み合わせ
人手不足と食材高が続くなか、複雑な新商品を大量投入する方法は店舗オペレーションを悪化させる危険がある。重要なのはSKUを増やさず顧客から見える選択肢を増やすことだ。2026年秋の吉野家の施策は、メニュー開発と客単価向上を一体化する好例として、中小飲食店にも参考になる。
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