7月の外食市場規模は3055億円

リクルートのホットペッパーグルメ外食総研が2026年9月1日に公表した7月の外食市場調査によると、首都圏・関西圏・東海圏の3圏域合計の外食市場規模は3055億円だった。前年同月比では44億円増、101.4%となり、2カ月ぶりに前年を上回った。外食実施率は69.0%、外食頻度は月3.85回で、消費者が外食そのものを大幅に減らしている状況ではない。

重要なのは客単価が前年を下回ったこと

一方、7月の外食単価は2908円で、前年同月を2円下回った。小幅ではあるが、5カ月ぶりに前年実績を割った点は重要だ。これまで外食市場の名目成長には価格改定による単価上昇が大きく寄与してきたが、消費者側の価格負担が蓄積し、単価をさらに引き上げる余地が狭まっている可能性がある。ただし、単月の数字のみで長期的な値下げ傾向と判断することはできない。

コロナ前との比較では回復が完了していない

7月の市場規模は2019年同月比87.8%だった。外食回数は2019年比79.5%である一方、単価は110.5%。つまり、客数・利用回数が完全には戻っていない部分を価格上昇が補ってきた構造が見える。飲食店経営者にとっては、売上がコロナ前に近づいたからといって顧客行動まで元に戻ったわけではない点に注意が必要だ。

業態による回復格差も大きい

調査では食事主体業態の市場規模が前年比101.3%、飲酒主体業態が104.1%、軽食主体業態が94.5%だった。2019年比ではファストフードが144.9%、喫茶店・カフェが125.2%とコロナ前を上回る一方、飲酒主体業態全体は71.6%にとどまる。生活動線に組み込まれる外食と、目的型・宴会型外食で回復状況が異なっている。

経営者は「値上げ率」より「来店回数」を見るべき

今後、店舗が価格戦略を考える際は平均客単価だけでは不十分だ。値上げ後に来店頻度がどの程度落ちたか、安価な商品への注文シフトが起きていないか、追加注文率が変化していないかを見る必要がある。例えば主力商品を50円値上げしても、月4回来ていた顧客が3回になれば年間売上への影響は大きい。

「価格に納得できる理由」を作れる店が強い

物価上昇局面では安売り競争に戻る必要はない。しかし、価格だけを引き上げる店舗は比較されやすくなる。食材品質、ボリューム、接客、提供速度、限定性、空間価値など、支払価格に対する納得材料を明確にすることが重要になる。今後の外食市場は「高いか安いか」より、「その価格を払う理由があるか」で店舗が選別される局面になりそうだ。

参考・出典