外食業の外国人採用が新しい段階へ
農林水産省は2026年8月3日、外食業の育成就労制度オンライン説明会で寄せられた質問に関する情報を公開した。7月には外食業分野の育成就労制度運用要領も公表されている。2027年4月から育成就労制度が始まるため、飲食企業は現在の特定技能1号・2号に加え、新しい人材育成ルートを前提に採用計画を作る必要がある。
現在も特定技能は主要な即戦力採用ルート
外食業特定技能では、原則として技能評価試験と日本語要件などを満たした外国人を雇用できる。農林水産省によると、2026年度の外食業特定技能評価試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する。企業は候補者の「日本語が話せる」という印象だけで判断せず、必要な試験合格と在留資格を確認する必要がある。
採用難は依然として外食経営の課題
帝国データバンクの7月調査では、非正社員の人手不足を感じる企業の割合は全体で28.8%だったが、飲食店は業種別で最も高い。採用環境に改善の兆しがあっても、人材不足が解消したわけではない。特に営業時間が長い店舗、地方店舗、深夜営業では日本人だけで必要人数を確保しにくいケースが続いている。
外国人採用は店舗単位ではなく本部管理に
外国人スタッフの在留期間、試験結果、支援計画、雇用条件を店長個人に任せると、異動や退職時に情報が失われやすい。本部で在留期限、資格、所属店、担当業務、日本語能力、教育履歴を一覧化し、期限前にアラートを出す仕組みを持つべきだ。外国人が複数店舗を移動するチェーンでは、実際に従事する業務と制度上認められた活動範囲を確認する必要がある。
採用時の日本語より入社後教育が重要
飲食店の業務では、注文確認、アレルギー、衛生、火傷、包丁、クレームなど安全・品質に直結する日本語が多い。一般的な会話能力が高くても、職場用語を理解できないことがある。採用後30日程度の教育プログラムを作り、接客、日本語、衛生、安全、POS操作などを段階的に教える方が定着しやすい。
育成就労開始を見据えた採用ポートフォリオ
今後は、すぐ働ける特定技能人材を採用するルートと、育成就労で技能形成しながら長期雇用につなげるルートを使い分けることになる。短期間で欠員を埋めたい店舗と、数年先の店長候補を育てたい店舗では採用方法が異なる。2026年度中に、自社がどの店舗で何人を育成できるのか、教育担当者を何人置けるのかまで含めて計画を作ることが重要だ。
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