仕込み工程そのものを商品化
ハインツ日本は2026年9月1日、ホテルやレストランなど業務用市場向けに「800g海老のビスク」を発売した。ビスクは本来、甲殻類を使った下処理や煮込みなど一定の技術と時間を必要とする料理だ。同社は常温保存可能な業務用商品として提供し、必要な量を必要な時に使用できる点を打ち出している。
これは単なる新しいソース商品の発売ではなく、人手不足時代の商品開発の方向性を示している。
料理人不足が商品設計を変える
飲食店では経験者を十分に採用できるとは限らない。高度な仕込みを必要とするメニューは、料理として魅力的でも、担当者が休むと提供できないという問題が生じる。
そこで重要になるのが、味を一定水準に保ちながら工程を標準化する考え方だ。業務用ソースや半加工食材を利用すれば、ゼロから調理する場合と比べて仕込み時間を短縮できる可能性がある。ただし、完成品をそのまま使うだけでは他店との差別化が難しいため、店舗側のアレンジが重要になる。
新商品を評価する5項目
- 一皿当たり原価
- 仕込み時間
- 必要なスタッフ技能
- 保存期間と廃棄率
- 他メニューへの転用可能性
メニュー開発は厨房オペレーションと一体化
2026年の外食市場では期間限定商品や季節商品も引き続き重要だ。東京ディズニーリゾートでも夏季限定の冷製メニューなどが展開されており、季節性は来店理由を作る手法として活用されている。
しかし商品数を増やせば厨房負担も増える。今後のメニュー開発では「売れそうか」だけでなく、「既存設備と既存スタッフで安定提供できるか」を同時に評価すべきである。
人手不足が続くほど、料理の価値は職人技だけでは決まらなくなる。仕込みを標準化しながら最後の盛り付けや味付けで店らしさを出す。こうした設計が、多店舗企業だけでなく小規模店にも重要になっている。
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