外食業の特定技能に異例の制約
出入国在留管理庁は2026年3月、外食業分野の特定技能1号在留者数が2月末時点で約4万6,000人となり、受入れ見込数5万人を超える可能性があるとして、4月13日から在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置を実施した。
さらに8月10日に公表された審査状況では、在留資格変更許可申請を優先して処理し、新規の在留資格認定証明書については交付可能な範囲で受付日順に対応していることが示された。一部の在留資格からの変更についても、4月13日以降に受理された案件は原則不許可となる扱いが示されている。
採用計画に「制度上採れない」リスク
これまで人手不足に悩む飲食店では、特定技能外国人を重要な採用経路としてきた。しかし制度上の受入れ見込数がある以上、「募集すれば海外からいつでも採用できる」という前提では経営計画を立てられない。
新規出店を予定している店舗の場合、物件契約と内装工事が完了しても、必要人数を確保できなければ営業時間を短縮せざるを得ない。採用可能人数を確認せずに店舗投資を先行すると、設備は完成しているのに営業できないというリスクが生じる。
既存人材の定着がより重要になる
採用が難しくなるほど、現在働いているスタッフの離職防止が重要になる。賃金だけでなく、シフトの安定、教育、昇進機会、日本語支援、住居や行政手続きのサポートなども定着に影響する。
- 採用:在留資格と就労可能業務を事前確認する
- 教育:写真・動画・多言語マニュアルを整える
- 定着:評価制度とキャリアを明確にする
- 省力化:注文、会計、予約など非調理業務を自動化する
人手不足を採用だけで解決しない
人が足りない場合に採用人数だけを増やすと、人件費と教育負担も増える。セルフオーダー、券売機、予約管理、仕込み工程の集約、メニュー削減などによって必要人時を減らすことも同時に検討すべきである。
外国人材は今後も日本の外食産業にとって重要な存在である。一方、2026年の制度運用は、外国人採用にも政策上の上限や審査リスクが存在することを示した。店舗経営では、採用、人材定着、省力化を一体で考える必要がある。
LINE
WeChat