消費者物価は7月も上昇、家計の余裕は限定的
総務省が2026年8月21日に公表した7月の全国消費者物価指数は、総合指数が前年同月比1.9%上昇、生鮮食品を除く総合指数が1.8%上昇した。物価上昇率は過去の急激な局面から鈍化しているものの、消費者にとって食料、日用品、サービスなどの価格水準自体が以前より高い状態は続いている。また総務省が公表している家計関連指標では、二人以上世帯の6月実質消費支出が前年同月比でマイナスとなっており、家計が自由に使える金額に強い余裕があるとは言いにくい。
それでも外食客数が増えている理由
興味深いのは、こうした環境でも日本フードサービス協会の7月調査で外食客数が前年を上回ったことである。これは消費者が単純に外食をやめているわけではなく、外食する店、時間帯、利用目的をより厳しく選んでいることを示唆する。日常の食事では価格を重視しながら、家族との外食、友人との会食、旅行中の食事、季節商品などには支出するという選択的消費が広がっていると考えられる。
店舗側から見ると、平均価格を上げるだけではこの市場を取り込めない。例えばランチでは千円前後の分かりやすいセットを設定し、ディナーでは追加料理やドリンク、デザートで客単価を上げるなど、利用目的ごとの価格設計が重要になる。
値下げ競争ではなく価格の階段を作る
大手外食チェーンでは期間限定の値引きキャンペーンが相次いでいるが、全面的な恒久値下げとは異なる。期間、商品、時間帯を限定することで集客力を作りつつ、全体の収益性を守る手法だ。中小飲食店でも、安売りを続けるのではなく、入口商品、標準商品、高付加価値商品の三段階を作ることが有効である。
- 入口商品:初回来店やランチ需要を獲得する価格帯
- 標準商品:店舗の中心となる利益商品
- 高付加価値商品:限定食材やコース、追加オプションで利益を確保する商品
市場平均より自店の利用動機を把握する
2026年の外食市場では、節約志向と外食需要が同時に存在している。この状況では、低価格店だけが勝つわけでも、高価格店だけが苦しくなるわけでもない。重要なのは顧客にとって支払う理由が明確かどうかだ。価格を上げるなら量、品質、体験、利便性のいずれかを改善する必要があり、逆に価格を抑えるなら注文や調理の省力化によって利益を守る必要がある。今後は売上前年比よりも、来店頻度、注文点数、粗利益額、再来店率を細かく見る経営が一層重要になる。
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