新しい店舗は「デザイン+省力化」が基本に

プレナスは2026年9月2日、「やよい軒 京都吉祥院店」を新規オープンした。同店はモダンな和を意識した内装やブランドの歴史を表現した壁面など、ブランドイメージを店舗空間に反映すると同時に、テーブル設置型のタブレット注文、店舗限定デザート、ドリンクバーなどを導入している。

ここで注目したいのは、内装デザインと店舗オペレーションが別々に考えられていない点だ。以前の飲食店づくりでは「内装工事をしてから機器を置く」という考え方も多かったが、現在は注文方法、厨房動線、セルフサービス、配膳、会計まで含めて設計しなければ生産性を上げにくい。

設備価格上昇で投資回収計算が重要

東京都は2026年度も、中小企業の競争力強化や生産性向上を目的とする設備投資支援事業を実施している。対象には機械装置、器具備品、ソフトウェアなどが含まれ、条件を満たす企業について一定割合を助成する仕組みだ。飲食店でも対象要件に合う設備であれば、こうした制度を確認する価値がある。

ただし、助成金の有無より先に考えるべきなのは投資回収である。例えば300万円の注文システムを導入する場合、年間で何時間の接客作業を削減できるか、注文ミスがどれだけ減るか、客席回転に効果があるかを数字で確認する必要がある。

店舗づくりで先に決めたい項目

  • 客席数:最大化だけでなくスタッフ数とのバランスを見る
  • 厨房動線:歩数や料理受け渡し回数を減らす
  • 注文方法:有人、QR、タブレットの役割を整理する
  • 電気容量:将来の厨房機器追加も想定する
  • 修繕性:故障時に営業停止しにくい設備配置にする

安い内装が安い店舗とは限らない

初期費用を抑えるため設備のグレードを下げても、故障、清掃時間、人件費、電気代が増えれば長期コストは高くなる。逆に高価な設備でも利用頻度が低ければ投資過多だ。物件契約前に厨房会社、内装会社、設備会社と動線や電源・給排水条件を確認することで、追加工事の発生を抑えられる。

2026年の店舗開発では、豪華な内装よりも「ブランドを伝える部分に投資し、バックヤードでは生産性を最大化する」考え方が重要だ。物件、内装、厨房、ITを一体で設計することが、開業後の利益率を左右する。