外食業の特定技能1号が受入れ上限に接近
飲食業界の人手不足を支えてきた特定技能制度に大きな変化が起きています。出入国在留管理庁は2026年3月27日、外食業分野の特定技能1号在留者が2月末時点で約4万6000人となり、受入れ見込数である5万人を5月頃に超える可能性があるとして、在留諸申請の運用変更を発表しました。
これに伴い、4月13日以降に受理された外食業分野の在留資格認定証明書交付申請は不交付とする方針が示され、一定の在留資格から特定技能1号へ変更する申請も原則不許可となりました。ただし既に外食業の特定技能1号として働く人の転職に伴う申請など、一部は通常どおり審査されます。
8月時点でも審査には制約
出入国在留管理庁が8月10日に掲載した審査状況によると、在留資格認定証明書については在留資格変更許可申請を優先して処理しており、受付日順で限定的に審査が進められています。外食企業が海外人材を採用し、すぐ特定技能1号として呼び寄せる従来型の採用計画は、制度上の制約を強く受けています。
採用予定だけで出店計画を組まない
特定技能人材の確保を前提として新店のシフトを組んでいる企業は注意が必要です。採用候補者が見つかっても、必要な在留手続が完了するとは限りません。開業日、人員数、営業時間を決める際には、日本人、留学生の資格外活動、既に国内で特定技能として働く人材、社員の配置転換など複数の選択肢を考える必要があります。
- 在留資格を採用面接時に正確に確認する
- 在留期限と更新時期を人員計画に入れる
- 業務範囲が資格制度に合致するか確認する
- 行政書士等の専門家と必要に応じて連携する
外国人雇用と省力化はセットで考える
人が足りないから外国人を採用するという単純な発想だけでは、中長期的な店舗運営は安定しません。モバイルオーダー、セルフレジ、配膳機器、仕込みの標準化などを進め、一店舗当たりに必要な労働時間そのものを減らすことも必要です。外国人スタッフには多言語マニュアルや動画教育を用意することで研修負担を減らせます。
今後の注目点
外食業は構造的な人手不足が続いており、制度の受入れ枠や運用が将来変更される可能性もあります。ただし現時点では公表されているルールに基づいて採用計画を立てる必要があります。店舗経営者は求人媒体だけでなく、在留制度、教育、生産性、定着率を一体として人材戦略を設計する局面に入っています。
LINE
WeChat