一部野菜が平年より高い見通し
農林水産省は2026年7月31日、8月の野菜の生育状況と価格見通しを公表した。東京都中央卸売市場に出荷される主要野菜について産地や卸売会社から聞き取りを行ったもので、ほうれんそう、きゅうりなどは平年を上回る価格で推移する見込みとされた。一方、にんじんは平年を下回る見通しとなるなど、品目ごとの差が大きい。
近年は猛暑、豪雨、少雨などの天候変動によって野菜の生育状況が大きく変化し、飲食店にとって食材価格の予測が難しくなっている。
原価率を固定値で管理する時代ではない
飲食店では「原価率30%」など一つの数字を目標として管理する方法が広く使われてきた。しかし仕入れ価格が短期間で変化する現在、年間を通して同じ原価率を維持することは難しい。
特に野菜を大量に使用するサラダ、居酒屋、ラーメン、中華料理、弁当業態では数十円の仕入れ価格変化が月間利益に大きく影響する。価格が高騰した後に月末の損益を見て気づくのでは遅く、週単位で原価を確認する管理が必要になる。
仕入れ高騰に強いメニュー設計
- 代替食材を事前に設定:葉物野菜が高騰した場合に別の野菜へ変更できるレシピを準備する。
- 旬の食材を活用:供給量が多い食材を季節メニューとして販売する。
- メニュー数を絞る:同じ食材を複数商品で使用し廃棄率を下げる。
- 価格だけで仕入先を決めない:供給安定性、配送頻度、最低発注数量まで比較する。
フードロス削減が利益改善になる
原材料価格が高い環境では、仕入れ単価を数%下げるだけでなく廃棄率を下げる効果も大きい。例えば仕込み過多による廃棄、過剰な盛り付け、食材の保管ミスなどはすべて利益の流出である。
POSデータと仕入れデータを照合し、曜日別・時間帯別の販売数量を予測できれば、必要量に近い仕込みが可能になる。小規模店舗でも表計算ソフトやPOSの販売履歴を利用するだけで改善できる。
今後は気象情報も経営情報になる
農林水産省は野菜の生育状況と価格見通しを原則毎月公表している。飲食店経営者や料理長がこうした情報を確認し、価格上昇が予測される食材を早めに把握すれば、仕入れ先との交渉や季節メニューの変更を先行して行える。
食材価格を店側がコントロールすることは難しい。しかし、使用量、メニュー構成、仕入先、販売価格、廃棄率は経営側が管理できる。気候変動による価格変動が常態化するなか、「安く仕入れる」だけではなく「高くなっても利益が残る店舗」を作ることが重要になっている。
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