中国工場で色が合わない原因|家具・建材の色見本を量産基準にする方法

結論:画面上の色ではなく「現物の承認基準」を作る
中国工場へ「この写真と同じ色で」と指示する方法は危険です。スマートフォン、パソコン、照明環境によって色の見え方は変わり、天然木や石材では素材自体にも個体差があります。飲食店では木部、金属、ソファ、タイルなど複数素材を同じ空間で使用するため、わずかな色差でも完成時に目立つことがあります。
素材ごとに色管理方法を変える
木材
木材は樹種、木目、下地色、着色、塗装回数によって仕上がりが変わります。小さな色チップだけでなく、実際の材料と同等の面積を持つサンプルを作る方が判断しやすくなります。天然木では完全一致を要求するのではなく、許容する濃淡や節の範囲も確認します。
金属
粉体塗装では指定色に加え、艶の程度や表面テクスチャーを確認します。メッキでは鏡面、ヘアライン、古美、サテンなど仕上げによって印象が大きく変わります。
張地
布や合成皮革はメーカー、品番、ロットを管理します。サンプルと量産ロットが異なる場合には色差が発生する可能性があるため、大量案件では必要数量を同一ロットで確保できるか確認します。
石材
天然石は色だけでなく模様や筋が大きく変化します。サンプル一枚を絶対基準にせず、実際に使用するスラブ写真や範囲選定を行う方法があります。
承認サンプルを複数作る
色見本を一枚だけ作り日本へ送ると、工場側に基準品が残らないことがあります。可能なら同じ条件で複数作り、一つを発注者、一つを工場が保管します。それぞれに案件名、品番、承認日、仕上げ仕様を記載します。
照明条件も考える
店舗では昼白色、電球色など照明条件によって色の印象が変わります。工場の白色照明では問題なく見えても、実店舗では赤みや黄みが強く感じられる場合があります。重要案件では、店舗で予定する照明環境も意識してサンプルを評価します。
| 素材 | 主な管理項目 |
|---|---|
| 木 | 樹種・着色・艶・木目 |
| 金属 | 色・艶・表面処理 |
| 布 | メーカー・品番・ロット |
| 石材 | 色・柄・使用範囲 |
量産初期で再確認する
サンプル承認後も、量産開始時の材料や塗料ロットが変わる可能性があります。量産初期品を承認サンプルの横に置き、比較写真を残すと管理しやすくなります。
実務チェックポイント
- 写真だけで色を決めていないか
- 現物サンプルを承認したか
- 艶や表面状態も指定したか
- 工場側にも承認見本が残っているか
- 天然素材の許容差を決めたか
- 量産ロットを確認したか
- 量産初期品を基準品と比較したか
色の問題は「中国工場だから起きる」のではなく、基準が曖昧な状態で量産すると起きやすくなります。言葉による色指定から、現物基準による品質管理へ切り替えることが重要です。