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FAQ

飲食店の内装工事は物件契約後すぐ始めてよい?着工前に確認すべき項目は?

結論:契約完了と工事着手可能は別問題

飲食店の物件を契約した後、「家賃が発生するので一日でも早く工事を始めたい」と考えるのは当然です。しかし、賃貸借契約の締結だけを根拠に着工するのは危険です。飲食店では、建物管理者への工事申請、消防関係の確認、用途や設備条件、厨房計画、給排水、排気、電気・ガス容量など複数の条件が連動します。

特にテナントビルでは、専有部分の工事であっても自由に施工できるとは限りません。工事可能時間、搬入経路、養生方法、騒音工事の時間帯、共用部への配管・ダクト設置、看板工事などについて管理規則が設定されていることがあります。

最初に確認する5つの項目

1. 工事区分

A工事・B工事・C工事などの区分が設定されている建物では、借主が希望する施工会社へすべてを発注できない場合があります。特に受電設備、防災設備、空調幹線、共用ダクトなどに関係する工事は、建物指定業者による施工になるケースがあります。

2. 消防関係

飲食店は消防法上の防火対象物に関係するため、用途、面積、収容人員、建物全体の状況などによって必要な消防用設備や届出が変わります。既存設備があるから問題ないと判断せず、計画図の段階で所轄消防署や消防設備の専門家へ確認することが重要です。

3. 給排水・排気

厨房機器の配置を決める前に、給水管径、排水経路、排水勾配、グリース阻集器、排気ダクトのルートと排出口を確認します。焼肉、ラーメン、中華、焼鳥など熱・煙・油を多く発生する業態では、排気能力が物件選定そのものを左右します。

4. 電気・ガス容量

厨房機器を選定してから容量不足が判明すると、機器変更や増設工事が必要になります。単相・三相の区分を含め、必要容量と建物側から供給可能な容量を比較してください。

5. 営業許可を意識した平面計画

飲食店営業では食品衛生法に基づく営業許可が関係します。施設基準は自治体の条例等にも関係するため、厨房を完成させてから修正するのではなく、計画段階で管轄保健所へ相談する方が安全です。

着工前チェックポイント

  • 貸主・管理会社の工事承認を取得したか
  • 工事区分と指定業者の範囲を確認したか
  • 消防設備・避難経路を確認したか
  • 給排水、排気、電気、ガス容量を確認したか
  • 保健所へ事前相談したか
  • 厨房機器寸法と搬入経路を確認したか
  • 家具・建材の納期を工程表へ反映したか

実務上の判断

開業を急ぐ場合ほど「設計完了→行政確認→工事承認→発注」という順番を崩さないことが重要です。着工を数日早めても、後からダクト、厨房、防災設備などを変更すれば数週間の遅延につながる可能性があります。開業工程では、工事開始日ではなく「営業開始までに必要な承認と調達を逆算する」考え方が有効です。