飲食店の床タイル選び|滑り・汚れ・目地・割れを施工前に確認する

飲食店の床材は「濡れた状態」で評価する
タイルは耐久性が高く、飲食店の床・壁で多く使われます。しかし表面が平滑な製品は、水や油が付着した際に滑りやすくなる可能性があります。ショールームで乾いたサンプルを見るだけでなく、厨房出入口、ドリンクバー、洗面周辺など水分が発生する場所を想定して選定することが重要です。
客席と厨房で求める性能を分ける
客席では清掃性、意匠、椅子を引く音などが重視されます。厨房では水、油、洗剤、重量機器への対応が重要です。一種類のタイルを店舗全体へ使用すると、どちらかの要求に合わなくなることがあります。異素材を切り替える場合は段差を生じさせない納まりを検討します。
| 確認項目 | 主なリスク |
|---|---|
| 表面 | 濡れ・油による滑り |
| 目地 | 汚れ、油染み、清掃 |
| 厚み | 他床材との段差 |
| サイズ | 割付、施工性、不陸追従 |
| 強度 | 台車や重量物による欠け |
| 予備 | 将来補修時の同品確保 |
大判タイルは下地精度が重要
大判材は目地を減らして高級感を出しやすい一方、下地の不陸が目立ちやすく、施工条件も厳しくなります。既存床への上貼りでは床高さが変わるため、入口扉、厨房、トイレ、エレベーター前などとのレベル差を確認します。
目地色は完成直後ではなく営業後を考える
明るい色の目地は清潔感がありますが、飲食店では食べこぼしや靴汚れにより色が変わりやすい場所があります。目地幅、色、使用材料、清掃方法をセットで決めます。床洗浄機を使用する場合は目地への影響も施工業者・材料メーカーへ確認します。
滑りにくい床は清掃しにくい場合がある
表面凹凸を大きくすれば滑りにくさを高めやすい一方、モップが引っ掛かり、汚れが凹部へ残りやすくなることがあります。安全性と日常清掃性のバランスを取り、実際に使用する清掃方法でサンプルを試験するのが実務的です。
実務チェックポイント
- 水や油が付く場所を平面図に示す
- 濡れた状態の滑りやすさを確認する
- 目地の清掃方法を事前に決める
- 台車走行部では角欠け・衝撃を考慮する
- 施工後の床高さを確認する
- 予備材を一定量保管する
- 部分交換可能な割付を検討する
飲食店の床タイルは、最もきれいな状態ではなく最も汚れた営業中の状態を想定して選ぶべき材料です。意匠、滑り、清掃、補修の四点を同時に評価することが重要です。
