中国工場の外注工程をどう管理するか|「自社工場だから安心」が危険な理由

結論:工場名ではなく「実際に誰が何を作るか」を確認する
中国工場を選定するとき、設備や工場面積、従業員数を確認して安心してしまうことがあります。しかし店舗家具や建材は一つの工場だけで完成するとは限りません。木工工場が金属脚を外注し、金属工場が粉体塗装やメッキを外注し、家具工場がガラス、石材、張地を別会社から調達することは珍しくありません。
外注そのものが悪いわけではありません。問題は、どの工程が外注され、誰が品質責任を持つのかを発注者が把握していないことです。
外注されやすい工程
- メッキ・アルマイト
- 粉体塗装・特殊塗装
- 強化ガラス加工
- 石材加工
- レーザー加工
- 曲げ加工
- 張地・縫製
- 印刷・サイン加工
設備投資や環境管理が必要な工程ほど専門会社へ委託される傾向があります。
工場監査で確認する質問
「この製品は全部ここで作りますか」という質問だけでは不十分です。部材単位・工程単位で確認します。例えば、木工、金属、塗装、ガラス、石材、縫製、組立、梱包を一覧にし、自社か外注かを記載してもらいます。
| 工程 | 確認事項 |
|---|---|
| 自社工程 | 設備・作業者・検査方法 |
| 外注工程 | 外注先・納期・品質基準 |
| 受入検査 | 外注品を誰が検査するか |
| 不良時 | 再製作責任と納期対応 |
外注品の受入検査が重要
外注先から戻った部品をそのまま組立ラインへ投入すると、不良が完成品まで進んでしまいます。色、寸法、表面処理、数量などを本工場が受入時に確認しているかを見るべきです。
特に色合わせでは、木部、金属、レザーなど異なる素材を別々の会社が加工すると、完成時に色調が合わないことがあります。共通の承認サンプルを各外注先へ配布することが有効です。
納期管理にも外注工程を組み込む
本工場の製造が順調でも、メッキやガラスの到着が遅れれば製品は完成しません。発注時には完成日だけでなく、主要外注部品の発注日、入荷予定日、受入検査日を工程表に入れます。
無断再外注を防ぐ
繁忙期に工場が注文の一部を別工場へ振ると、同一ロットでも品質が変わることがあります。重要な案件では、主要工程や完成品製造を第三者へ再委託する場合は事前承認を必要とする条件を発注書や契約に入れる方法があります。
実務チェックポイント
- 工程別の自社・外注区分を確認したか
- 主要外注先を工場が管理しているか
- 承認サンプルが外注先にも共有されるか
- 外注品の受入検査があるか
- 外注工程を生産スケジュールに入れたか
- 無断再外注に関する条件を決めたか
- 不良発生時の責任窓口を一本化したか
中国調達で見るべきなのは工場の建物ではなく、実際のサプライチェーンです。外注工程を可視化すると、品質問題だけでなく納期遅延の原因も事前に把握しやすくなります。