中国工場OEMで商標を先に確認すべき理由|ブランド名を製品へ付ける前の知財対策

結論:ブランドを工場へ渡す前に知財戦略を整理する
中国工場へOEMを依頼し、椅子、食器、照明、店舗用品などへ自社ブランドのロゴを入れる場合、製造技術だけでなく商標管理も重要です。ブランド名を長期使用する予定なら、日本だけでなく製造・販売に関係する国や地域でどのような権利確保が必要かを検討します。
商標制度は国・地域ごとに異なるため、「日本で使っているから中国でも当然自社のもの」と考えるのは危険です。
工場名義で登録させない
工場から「こちらで商標登録しておきます」と提案される場合でも、誰の名義で権利を取得するのかを確認する必要があります。ブランドは工場変更後も継続使用する資産です。権利の帰属を曖昧にしないことが重要です。
見積段階でロゴデータを無制限に配布しない
工場候補を比較するだけなら、必ずしも完全なブランドデータを全社へ渡す必要はありません。ロゴ加工費の確認には仮データを使用し、正式データは契約後に提供する方法もあります。
金型や印刷版も管理対象
ブランドロゴ入り製品では、レーザー加工データ、印刷版、刻印型、金型などが工場に残る場合があります。契約終了後の保管、廃棄、返却、第三者使用禁止について条件を決めます。
余剰品の扱いを決める
量産では予備生産や検品不良品が発生することがあります。ブランド表示のある余剰品や不良品が工場外へ流出すると、正規品との区別が難しくなります。廃棄、ロゴ除去、数量報告などの方法を事前に決めます。
| 対象 | 管理ポイント |
|---|---|
| 商標 | 権利者・対象国を確認 |
| ロゴデータ | 開示先を制限 |
| 金型・版 | 所有権・保管・廃棄 |
| 余剰品 | 数量・処分方法 |
中国での制度は専門情報を確認する
中国での商標出願、異議、無効など具体的な制度運用は変更される可能性があるため、日本国特許庁、JETRO、中国の知財当局など最新の一次情報や専門家の助言を確認します。第三者の登録状況調査が必要な場合もあります。
工場変更時もブランド資産を回収する
取引終了時には図面、ロゴデータ、金型、印刷版、在庫、梱包材などブランドに関係する資産を一覧化し、返却または処分を確認します。
実務チェックポイント
- ブランドの権利者を明確にしたか
- 必要な国・地域で商標確認をしたか
- ロゴデータの開示先を管理したか
- 金型・印刷版の所有者を決めたか
- 余剰品・不良品の処分条件を決めたか
- 再外注先でのロゴ使用を管理したか
- 取引終了時のデータ・型の扱いを決めたか
OEMでは製品を作る工場よりブランドの寿命の方が長いことがあります。ブランド資産を製造契約から独立して管理することが、中国調達を継続するうえで重要です。