9月の指定野菜全体は平年並み
関東農政局は2026年8月31日、9月の東京都中央卸売市場における指定野菜の入荷量と卸売価格の見通しを公表した。指定野菜15品目の入荷量全体は平年並みと見込む一方、白菜、ほうれん草、里芋は平年より少ない見通しとした。大根、にんじん、キャベツ、ねぎ、ブロッコリー、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、じゃがいも、たまねぎなどは平年並みとされている。
野菜価格は天候で短期間に変動する
外食企業にとって注意すべき点は、月間見通しが平年並みでも、台風、高温、降雨不足などにより数日から数週間で仕入環境が変わることだ。特に葉物野菜は品質と価格が同時に変動しやすく、契約価格で仕入れていない個店では原価に直接影響する。7月の見通しでもブロッコリー、きゅうり、なす、トマト、ピーマンは平年より高い価格が予測されていた。
消費者側の食料価格も高止まり
総務省の消費者物価指数でも食料価格の上昇が家計に影響している。つまり飲食店は「仕入価格が上がる一方で客側も値上げに敏感」という難しい環境にある。原価上昇分をそのまま売価へ転嫁できない場合、メニュー構成や使用量を調整する必要がある。ただし、見た目で明確に量を減らすだけでは顧客満足度を損なう。
原価率より歩留まりを見る
実務では、仕入単価の交渉だけでなく、可食部歩留まりを測定したい。1キログラム300円の野菜でも廃棄率が30%なら実質的な可食部単価は高くなる。逆に単価の高い食材でも、加工済みで廃棄が少なく調理時間まで削減できれば総コストは低くなる場合がある。店舗では品目ごとに仕入重量、使用重量、廃棄重量を記録すると改善箇所が見つかりやすい。
メニューを固定しすぎない
季節野菜を使う飲食店では、すべての料理を年間固定メニューにするより、相場に合わせて一部の付け合わせや季節商品を変更できる設計が有効だ。例えば葉物価格が上昇した場合、根菜、きのこ、豆類などとの組み合わせで料理価値を維持する方法がある。仕入価格だけを理由に品質を下げるのではなく、料理設計そのものを変える発想が必要になる。
仕入担当者は週次で相場を共有
今後は気象条件による短期変動にも注意が必要だ。多店舗企業では本部だけが価格情報を持つのではなく、店長や料理長へ週次で共有し、推奨発注量や代替食材を示すとロスを抑えられる。個人店でも仕入先から相場情報を聞き、翌週の予約数と照合して発注することが重要である。2026年秋の食材管理では、「安く買う」だけでなく、使い切る、代替する、メニュー価格へ反映するという三つの対応を組み合わせる必要がある。
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