特注金物・什器の海外製作―寸法公差・溶接・塗装を図面だけで終わらせない

結論:金物は「外形寸法」より接合部と仕上げ条件まで指定する
飲食店のディスプレイラック、ホテルの家具脚、カウンターフレームなどでは特注金物を海外製作することがあります。金属加工は図面通りに切断するだけでは完成しません。溶接、研磨、塗装、メッキ、組立精度によって見た目と耐久性が変わります。
寸法公差を曖昧にしない
造作家具へ組み込む金物は数ミリの差でも組み立たないことがあります。すべてを極端な精度にするとコストが上がるため、接合部や現場納まりなど重要寸法に優先順位を付けます。
製作前に、どこが基準寸法で、どこに調整余地があるかを工場と共有します。
溶接部をサンプルで確認する
意匠面に溶接跡が出る什器では、溶接ビードを残すのか、研磨して平滑にするのかを指定します。角部の仕上げも写真または実物サンプルで共有すると誤解を減らせます。
塗装色だけでなく艶を決める
黒色でも艶消し、半艶、艶有りでは印象が大きく変わります。粉体塗装等を使用する場合も、承認サンプルを量産基準とします。
メッキや特殊仕上げは量産ロットで色差が出る可能性があるため、許容範囲を設計者と決めます。
輸送後に組み立てられる構造か
大型什器を完成状態で輸送すると容積が増え、運賃と破損リスクが高まります。ノックダウン構造にする場合は、日本現場で簡単に組み立てられる接合方法と番号表示が必要です。
検品項目
- 外形寸法と重要寸法
- 対角寸法と直角
- 溶接部の外観
- 研磨跡
- 塗装色・艶
- 傷・打痕
- 穴位置
- ボルト・ナット・付属金物
- 組立試験
現場取付けまで考えて製作する
壁固定や床固定を伴う什器では、現場の下地位置とアンカー条件を施工会社へ確認します。海外工場側が判断して穴位置を決めるのではなく、日本側施工条件から逆算します。
特注金物の海外製作では、美観だけでなく組立・施工までを製作図へ反映することが重要です。工場完成時にきれいでも現場で取り付けられなければ完成品とはいえません。