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飲食店の適正家賃はどう決める?坪単価ではなく損益分岐点から逆算する方法

結論:適正家賃は「周辺相場」ではなく自店の損益から決める

店舗探しでは「この地域は坪3万円だから妥当」といった判断が行われます。しかし坪単価は貸主側の市場価格を示す数字であり、借主の事業がその賃料を払えることを意味しません。飲食店経営者が先に計算すべきなのは、予定売上と利益構造から見た家賃負担可能額です。

月商を席数から組み立てる

例えば客席30席なら、ランチとディナーそれぞれについて客単価、回転数、稼働率、営業日数を設定します。単純な満席計算ではなく、月曜夜、雨天、閑散期などを考慮して複数シナリオを作ります。

売上=席数×稼働率×回転数×客単価×営業日数を基本式として、テイクアウトやデリバリーがあれば別途加算します。

賃料以外の固定費を忘れない

  • 共益費・管理費
  • 看板使用料
  • ごみ処理費
  • 設備使用料
  • 駐車場・駐輪場費
  • 定額水道料等
  • 保証会社費用

募集広告の「賃料」だけを比較すると実質固定費を過小評価します。消費税の取扱いを含め、毎月支払う総額で比較してください。

家賃比率だけを絶対基準にしない

飲食業では売上に対する家賃比率を目安にする考え方がありますが、業態によって原価率、人件費率、客単価、回転率は異なります。高級店と立ち食い店を同じ比率で評価することはできません。

シナリオ 考え方
弱気 開業直後や閑散期を想定した売上
標準 通常営業で実現可能と判断する売上
強気 高稼働時の売上。家賃判断の基準にはしすぎない

保証金まで含めて資金効率を見る

店舗物件では契約時にまとまった保証金や敷金が必要になる場合があります。返還される可能性がある資金でも、契約期間中は運転資金として使用できません。保証金、礼金、仲介手数料、前家賃、造作代、内装工事費を合わせた初期投資額を算出し、開業後に十分な現預金を残せるか確認します。

高家賃でも合理的な物件はある

駅前一等地で既存の厨房インフラが充実し、内装費を大幅に削減できるなら、高い賃料でも総投資回収が早い場合があります。反対に格安物件でも排気ダクト、電気増設、給排水工事に多額の投資が必要なら不利です。

したがって物件比較表には、月額賃料だけでなく「契約初期費用」「開業工事費」「開業までの空家賃」「撤退費用」を入れます。出店判断は坪単価の安さではなく、投下資金に対してどれだけ利益を生み出せるかで行うべきです。