飲食店物件の工事区分A工事・B工事・C工事とは|見積漏れを防ぐ確認方法

結論:内装見積の前に工事区分表を入手する
商業ビルや大型テナントビルでは、店舗工事を貸主側工事、指定業者工事、テナント工事などに区分していることがあります。実務ではA工事・B工事・C工事と呼ばれることがありますが、名称や範囲は建物ごとに異なるため、呼び方だけで判断してはいけません。
重要なのは「誰が発注し、誰が施工し、誰が費用を負担するか」を設備ごとに確認することです。
指定業者工事が予算を左右する
消防設備、空調、電気幹線、給排水主管、中央監視設備など、建物全体に影響する工事は貸主指定業者しか施工できない場合があります。テナント側の内装会社が一括して自由に施工できるとは限りません。
指定工事の価格を契約後に初めて知ると、当初予算から大幅に増える可能性があります。申込段階で工事区分表と指定業者一覧を取得し、概算見積を依頼します。
飲食店で確認したい設備
- 電気幹線増設
- 分電盤
- ガス配管
- 給排水接続
- 空調・換気
- 自動火災報知設備
- スプリンクラー
- 排気ダクト
- 外壁・屋上工事
- 看板
工事監理費にも注意
大型ビルでは工事そのもの以外に、設計審査、工事監理、共用部養生、搬入管理、夜間作業などの費用が発生する場合があります。内装会社の見積だけでは総額を把握できないため、ビル側費用を別表で整理します。
工程にも影響する
指定業者工事はテナント側の都合だけで日程を決められません。設計図提出、審査、見積、発注、施工という手続きが必要なら、開業予定日から逆算して早めに動く必要があります。
契約前に作る費用表
| 工事項目 | 施工者 | 発注者 | 費用負担 |
|---|---|---|---|
| 内装 | テナント業者 | 借主 | 借主 |
| 消防設備移設 | 指定業者等 | 要確認 | 要確認 |
| 幹線増設 | 指定業者等 | 要確認 | 要確認 |
| 共用ダクト | 指定業者等 | 要確認 | 要確認 |
実務ポイント
物件比較では賃料と保証金だけでなく、開業までに必要な「ビル側工事費」を含めます。賃料が安い物件でも指定工事費が高ければ、初期投資では別物件の方が有利になる可能性があります。
A・B・Cという名称を覚えることより、設備ごとの施工権限と費用責任を表にして確認することが重要です。