中国工場と長期取引するための評価方法|価格以外のKPIを作る

良い工場は一度の取引だけでは判断できない
中国工場を選定した後も、取引ごとに品質や納期を評価することが重要です。初回は良かった工場でも受注量増加、人員変更、外注先変更などにより品質が変化することがあります。逆に初回に小さな問題があっても、改善を継続する工場は長期的なパートナーになる可能性があります。
価格以外の評価指標
品質
不良発生件数だけでなく、重大不良の有無、同じ不良の再発、補修対応などを確認します。
納期
約束した完成日に対して実際にいつ完成したかを記録します。遅延そのものだけでなく、遅れることを事前報告したかも重要です。
技術対応
図面への質問、製造上の改善提案、問題の事前指摘などを評価します。設計上製造困難な箇所を黙って作る工場より、事前に確認する工場の方がリスクを下げられます。
変更管理
Revision変更を正確に反映できたか、旧図面を使用しなかったかを評価します。
コミュニケーション
返信速度だけでなく、回答内容が具体的かを見ます。「OK」「No problem」だけではなく、いつ、誰が、どう対応するかを説明できることが重要です。
梱包・物流
工場出荷時に合格でも日本到着時に毎回破損するなら、梱包改善が必要です。到着後の破損率や箱表示の正確性も記録します。
5段階などで点数化する
| 項目 | 評価例 |
|---|---|
| 品質 | 不良・再発状況 |
| 納期 | 計画との差 |
| 技術 | 図面理解・提案 |
| 変更対応 | Revision管理 |
| 報告 | 進捗・問題報告 |
| 梱包 | 輸送破損・表示 |
感覚だけで「この工場は良い」と判断せず、案件終了時に記録します。
問題を改善できる工場を評価する
製造業で問題を完全にゼロにすることは容易ではありません。重要なのは問題を隠さず報告し、原因を特定し、次回に改善できるかです。同じ不良を何度も繰り返す場合は管理体制そのものを見直す必要があります。
一社依存のリスク
長期取引で信頼関係ができても、重要商品を一社だけに完全依存するかは検討が必要です。設備停止、経営状況、繁忙、材料供給などにより生産できなくなる可能性があります。重要品について代替工場候補を把握しておくことも調達リスク管理になります。
良い工場には予測情報を渡す
発注者側も突然大量注文するだけでなく、今後の店舗計画や概算数量を共有すると、工場は材料や生産枠を準備しやすくなります。継続取引は工場だけに改善を求めるのではなく、発注側の情報提供も重要です。
実務チェックポイント
- 案件終了後に工場評価を残す
- 品質と納期を数値・事実で評価する
- 同じ不良の再発を確認する
- 改善対応を評価する
- 価格改定時も品質実績と合わせて判断する
- 重要製品は代替調達先も検討する
- 将来発注の予測を共有する
長期取引で最も価値があるのは単価が最安の工場ではなく、問題を早期共有し、品質と納期を継続的に改善できる工場です。