スケルトン物件の引渡し状態を確認する|「何もない」は物件ごとに違う

結論:「スケルトン」という言葉だけで工事費を見積もらない
飲食店募集で使われる「スケルトン」は、一般に内装や設備を撤去した状態を指しますが、実際に何が残っているかは物件ごとに異なります。床・壁・天井が躯体現しでも、空調機が残る物件、トイレが残る物件、分電盤だけ残る物件など様々です。
したがって契約前には「スケルトン渡し」という言葉ではなく、具体的な引渡し状態を図面・写真・現地で確定します。
インフラの引渡し位置を確認する
特に重要なのが給排水、ガス、電気、排気です。「給排水あり」と説明されても、店舗区画のどこまで配管されているのかで工事費は変わります。排水立管が厨房予定位置から遠ければ床上げが必要になる場合があります。
空調がない場合は室外機置場を見る
スケルトン物件で空調を新設する場合、室内機だけでなく室外機の設置場所が必要です。屋上やバルコニーを利用できるか、冷媒配管をどこに通せるか、外壁貫通が認められるかを確認します。
| 設備 | 引渡し確認 |
|---|---|
| 電気 | 分電盤・幹線・メーター |
| 給排水 | 接続位置・口径 |
| ガス | 引込位置・容量 |
| 空調 | 既存設備・室外機置場 |
| 排気 | ダクト・開口・屋上経路 |
貸主工事と借主工事を分ける
ビルによっては、共用設備に関係する工事を貸主指定業者が行い、その費用を借主が負担することがあります。分電盤、幹線、空調、スプリンクラー、防災設備などの工事区分を事前に確認します。指定業者工事は一般競争見積ができないこともあるため、予算への影響が大きくなります。
契約前に残す資料
- 引渡し状態の写真
- 設備図面
- 既存設備一覧
- 工事区分表
- 貸主指定業者の範囲
- 原状回復時の返却状態
入居時と退去時をセットで確認する
スケルトン渡しの物件では、退去時にもスケルトン返しを求められるケースがあります。開業時に数千万円規模の設備を造り、退去時にそれをすべて撤去するなら、撤去費も投資判断に含める必要があります。
一方、後継テナントへの造作譲渡が貸主承諾のもと認められる可能性がある物件なら、出口コストを下げられることがあります。ただし将来の譲渡を保証するものではないため、契約条項を確認します。
スケルトン物件は自由度が高い反面、設備条件が工事費に直結します。設計見積を始める前に「何が残り、どこから借主工事なのか」を確定することが重要です。