中国工場のゴールデンサンプルとは|量産品質の基準品を作る方法

結論:承認サンプルを「量産の物差し」にする
中国工場で試作品を確認した後、「これでOK」とチャットで伝えて量産を始めるだけでは、数週間後に何を承認したのか曖昧になることがあります。そこで役立つのがゴールデンサンプル、つまり量産品質の基準となる承認品です。
名称そのものより重要なのは、発注者と工場が同じ現物を品質基準として認識していることです。
基準品に含める情報
サンプルには案件名、製品番号、図面番号、承認日、材料、色、仕上げなどを記載します。単に「OK SAMPLE」と書くだけでは、後から別案件のサンプルと混同する可能性があります。
基準にできる項目
- 外形・プロポーション
- 色と艶
- 木目や張地の方向
- 溶接・研磨状態
- 縫製
- 金物
- 操作感
- 梱包方法
サンプルと図面の優先順位を決める
注意したいのは、サンプルにも製作誤差があることです。例えばサンプル寸法が図面と2mm違っている場合、量産品はどちらに合わせるべきでしょうか。契約・発注段階で「寸法は最終図面、色と仕上げは承認サンプル」など優先順位を明確にします。
工場側に基準品を残す
完成した唯一のサンプルを日本へ送ってしまうと、工場には写真しか残りません。重要案件では同一条件のサンプルを複数作る、または色板・材料サンプルだけでも工場に保管する方法があります。
量産初期品と比較する
量産開始後、最初に完成した製品を基準品と並べて比較します。色、艶、寸法、縫製などに差があれば、この時点で工程を修正します。大量生産後に差を発見するより修正範囲を小さくできます。
| 基準 | 管理対象 |
|---|---|
| 最終図面 | 寸法・構造・穴位置 |
| 承認サンプル | 色・艶・外観・触感 |
| 仕様書 | 材料・金物・性能条件 |
| 検品基準 | 許容範囲・不良判定 |
サンプルを勝手に修正させない
工場が量産性向上のため構造や材料を変更する場合があります。改善提案自体は有益ですが、承認前に変更すると基準品の意味がなくなります。変更が必要なら、変更内容を承認して基準サンプルや図面も更新します。
実務チェックポイント
- 承認品に識別番号を付けたか
- 承認日を記録したか
- 工場側にも基準を残したか
- 図面とサンプルの優先順位を決めたか
- 量産初期品と比較したか
- 変更時に基準品を更新したか
- 最終検品でも基準品を使用できるか
ゴールデンサンプルは単なる展示品ではありません。曖昧な「同じように作ってください」を、双方が確認できる具体的な品質基準へ変えるための道具です。