中国OEMで図面トラブルを防ぐ方法|製作図・承認図・版管理の実務

結論:製造開始の基準を「承認済み図面」に一本化する
中国工場とのOEMで頻発する問題の一つが、どの図面を基準に製造したのか分からなくなることです。チャットで寸法を変更し、メールで色を変更し、その後PDF図面を送ると、担当者と現場の情報が一致しなくなる可能性があります。
飲食店の造作家具では数ミリから数センチの差でも、壁、柱、厨房機器、設備配管と干渉することがあります。そのため図面管理は品質管理そのものです。
図面に入れるべき情報
- 品番
- 製品名
- 全体寸法
- 主要部分寸法
- 材料名
- 板厚
- 表面仕上げ
- 色番号または承認サンプル番号
- 金物仕様
- 改訂番号
- 作成日・承認日
版管理を徹底する
ファイル名を「table-final.pdf」「table-final2.pdf」のようにすると混乱します。例えば品番、改訂番号、日付を組み合わせて管理し、旧版には明確に無効表示を付けます。
変更箇所を明示する
図面を更新しただけでは、工場側が変更箇所に気付かない場合があります。変更履歴表を作り、「天板厚30mmから35mm」「脚位置を20mm内側へ変更」など具体的に記載します。
現場寸法との関係
造作家具では建築図面上の寸法だけで製造を開始せず、必要に応じて現場実測値を確認します。特に壁間に納めるカウンター、壁面什器、造作ソファなどは施工誤差を考慮したクリアランスが必要です。
承認フローを決める
- 設計側が基本図を作成
- 工場が製作可能な詳細図へ展開
- 設計・施工担当が寸法と納まりを確認
- 材料・色・金物を確定
- 承認済み図面を発行
- 工場が承認図に基づき生産
承認後に変更する場合は、価格と納期への影響を確認してから改訂版を再承認します。
実務チェックポイント
- 全商品に品番を付ける
- 図面へ改訂番号を入れる
- 旧版を使用禁止にする
- チャットだけで仕様変更しない
- 変更履歴を残す
- 現場寸法と製品寸法を照合する
- 製造開始前に最終承認を取る
中国OEMでは、正しい図面を作ること以上に「工場がどの図面を正本として製造するか」を管理することが重要です。