中国工場へ店舗家具を発注するとき、図面はどこまで必要ですか?

Q. 中国工場への家具発注では図面が必要ですか?
A. 特注家具や造作家具では、写真だけでなく寸法と仕様を明記した図面を用意することを強く推奨します。参考写真はデザインイメージを伝えるには便利ですが、工場側が独自に寸法、材料、内部構造を解釈すると、完成品が設計者の意図と異なる可能性があります。
最低限必要な情報
- 幅・奥行・高さ
- 主要部材の寸法
- 木材、金属、石材、張地等の材質
- 色番号または承認サンプル
- 表面仕上げ
- 金物の種類
- 組立方法
- 設置方法
- 必要数量
例えば「黒いスチール脚」と書くだけでは、角パイプの寸法、板厚、溶接方法、塗装の艶、脚端部の処理まで決まりません。店舗家具は見た目だけでなく耐久性が重要なので、構造部分を仕様化する必要があります。
日本の現場寸法との整合が重要
造作カウンターや壁面什器では、工場図面が正しくても現場寸法が違えば設置できません。建築現場には施工誤差があるため、設計図上の寸法だけで製作せず、可能であれば仕上げ工程に近い段階で現場実測を行います。
特に柱間にぴったり納める家具では逃げ寸法を考えます。1mm単位で完全一致させて製作すると、壁の傾きや床の不陸によって入らないことがあります。
工場の製作図を承認してから量産する
日本側から基本図を送った後、工場に製作図を作成させ、それを設計者・施工担当者が承認してから生産開始する方法が安全です。言葉で「OK」と伝えるのではなく、承認した図面に日付や版番号を付けます。
仕様変更を口頭で行わない
中国調達ではWeChat等で迅速に連絡できますが、途中変更が増えるほど最終仕様が分からなくなります。変更内容は図面へ反映し、Rev.1、Rev.2のように改訂番号を管理してください。
実務チェックポイント
- 参考写真と寸法図をセットで送る
- 素材を具体的に指定する
- 色は現物サンプルで承認する
- 金物や脚部構造を図面化する
- 工場製作図を日本側で承認する
- 変更履歴を管理する
- 量産前サンプルと図面を照合する
- 完成検品でも承認図面を使用する
図面は工場に製品を作らせるためだけでなく、検品時に「何が正しい製品か」を判断する基準でもあります。発注時の仕様が曖昧であれば、不良かどうかの判断自体ができません。図面作成に時間を使うことが、結果として納期短縮とトラブル削減につながります。
