飲食店の家具・建材を中国調達すると本当に安い?総コスト比較の方法

Q. 中国から家具や建材を直接仕入れれば、日本で買うより必ず安くなりますか?
A. 必ず安くなるとは限りません。工場単価ではなく、店舗に設置して使える状態になるまでの総コストで比較する必要があります。
大量・特注案件では中国調達のメリットが出やすい一方、少量、短納期、重量物、破損しやすい商品では物流・管理費の割合が大きくなります。
総調達原価を分解する
比較式は次のように考えます。
着地原価=製品価格+サンプル+検品+梱包+中国国内物流+国際物流+保険+関税+輸入消費税等+通関諸費用+国内配送+施工・組立+補修予備費
国内調達についても配送、設置、組立費を含め、同じ条件で比較します。
物流比率が高い商品
大型ソファ、軽量だが容積の大きい装飾品などは、商品価格が安くても国際物流費が高くなりやすい製品です。
逆にコンパクトに梱包でき、数量の多い椅子や金物類は物流費を分散しやすい場合があります。
現場加工費を忘れない
海外製作の造作家具が現場寸法に合わず、日本の大工が加工すると、その費用は中国工場の見積には含まれません。
調達段階の安さを現場修正費で失わないため、図面連携と現場採寸を行います。
開業遅延もコスト
家具納期が2週間遅れて開業できない場合、失うのは家具代だけではありません。空家賃、人件費、予約キャンセル、機会損失が発生します。
したがって海外調達では納期リスクにも金銭的価値を置く必要があります。
国内調達の価値
国内調達には小ロット対応、短納期、現場採寸、施工、交換、修理などのサービス価値があります。単純な製品価格差だけで比較すると、この部分を評価できません。
中国調達が向く条件
- 発注数量がまとまっている
- 特注仕様の価値が高い
- 開業まで十分な期間がある
- 現地品質管理ができる
- 複数商品をまとめて輸送できる
国内調達が向く条件
- 少量
- 短納期
- 頻繁な追加発注が必要
- 現場調整が多い
- 保守・修理を重視する機器
比較表を一枚にする
| 費用 | 中国調達 | 国内調達 |
|---|---|---|
| 商品 | 見積 | 見積 |
| 物流 | 国際+国内 | 国内 |
| 税金 | 輸入時税金等 | 国内取引条件 |
| 検品 | 必要 | 条件次第 |
| 補修 | 予備費設定 | 保証条件確認 |
中国調達の目的は最安値を出すことではなく、必要な品質とデザインを予算内で実現することです。「安いか」ではなく「総額に対して価値が高いか」で判断します。