中国工場トラブルを防ぐコミュニケーション術|「できます」を確認に変える方法

言語の問題より確認方法の問題
中国工場とのトラブルを「中国語ができないから」と考えがちですが、実際には日本語同士でも曖昧な指示は製造ミスにつながります。重要なのは流暢に話すことより、製造条件を誰が見ても同じ意味になる形で伝えることです。
「できますか?」だけで聞かない
工場へ「このデザインできますか」と質問すると「できます」と回答されても、どの材料、構造、価格、納期で可能なのか分かりません。「この図面、指定材料、数量50台、希望完成日という条件で製造可能か」のように条件を付けます。
理解した内容を工場側に返してもらう
重要な寸法変更では「了解しましたか」と聞くより、変更後の製造図を工場から提出してもらう方が確実です。工場側がどのように理解したかを成果物で確認します。
一つのメッセージに詰め込みすぎない
10項目の変更を長文で送ると一部が見落とされる可能性があります。番号を付け、製品番号ごとに整理します。写真にも番号を付けて「写真3の部分」など対応関係を明確にします。
感覚表現を減らす
「もう少し高級に」「少し濃く」「もっと丈夫に」という表現は設計意図の説明には使えますが、最終仕様には向きません。寸法、材料、色サンプル、板厚など具体的条件へ変換します。
期限は日時で確認する
「なるべく早く」「来週ぐらい」ではなく、具体的な日付を使います。また完成予定なのか写真提出予定なのか出荷予定なのか、期限の対象も明確にします。
問題報告を歓迎する
発注者が「絶対に遅れるな」とだけ要求すると、工場側が問題を早期報告しにくくなることがあります。材料遅延や製造問題が発生した時点で報告し、代替案を検討できる関係を作る方が実務的です。
担当者だけに情報を依存しない
営業担当者とのチャットだけに仕様が残っていると、その担当者が休暇・退職した際に情報が失われます。正式図面、発注書、仕様書など案件資料として工場組織へ共有できる形式にします。
会議後に議事内容を残す
オンライン会議や電話で決めた内容は、終了後に要点を文章化します。対象品番、決定事項、未決事項、担当者、期限を記録すれば認識違いを早期に発見できます。
実務チェックポイント
- 質問に条件を付ける
- 工場側の理解を図面で確認する
- 指示へ番号を付ける
- 感覚表現を数値・現物へ変換する
- 期限を具体的な日付にする
- 重要事項は口頭だけで終わらせない
- 問題を早期報告するルールを作る
- 決定事項を案件資料として保存する
海外工場とのコミュニケーションで重要なのは「伝えたか」ではなく「相手が同じ内容を理解し、製造現場へ反映したか」を確認することです。この確認習慣だけでも多くの製造トラブルを減らせます。