中国製厨房用品を工場へOEM発注する前に確認したい食品接触材の日本規制

飲食店用品には「家具」と「食品用器具」が混在する
中国からレストラン一店舗分の商品をまとめて購入すると、椅子、テーブル、カウンターだけでなく、トレー、保存容器、厨房用品、食器などが含まれる場合がある。しかし日本の輸入実務では、すべてを「店舗用品」として同じように扱うことはできない。
食品に直接接触する器具・容器包装については食品衛生関係の規制を確認する必要がある。
ポジティブリスト制度を確認する
食品用器具・容器包装については、安全性を評価した物質のみを使用可能とするポジティブリスト制度が導入されている。厚生労働省の案内では制度は2020年6月1日に施行され、2025年6月1日以降は経過措置終了後の制度が適用されている。食品衛生基準行政は2024年4月に厚生労働省から消費者庁へ移管されているため、最新のリスト等は消費者庁の情報も確認する必要がある。
「中国で食品用」は日本適合の証明ではない
中国工場から「Food Grade」「中国国内でレストランに販売している」と説明されても、それだけで日本の規格・制度への適合を確認したことにはならない。
またFDA、EUなど他国・地域向け資料を提示されることもあるが、日本の制度については日本の要求を別途確認する。
工場から取得したい情報
- 製品の用途
- 食品接触部分
- 材質
- 樹脂の種類
- メーカー・製造工場
- 使用温度
- 試験資料
- 原材料に関する情報
特に複合製品では、食品が触れる部分と触れない部分を分けて確認する。
OEMでは材料変更を禁止する
サンプル確認時には適切な材料だったとしても、量産時に工場が似た樹脂へ変更すれば確認の前提が崩れる。BOMへ材質を記録し、変更時には日本側の事前承認を必要とする。
家具工場へ厨房用品をまとめて頼む場合
店舗一括調達では、家具工場が協力会社から厨房用品を仕入れて一緒に輸出することがある。この場合、家具工場自身が食品接触材料の詳細を把握していない可能性がある。
「家具会社が販売しているから家具」と考えず、実際の製造者と材料情報を確認する。
輸入前に確認する
商品が日本の港へ到着してから必要資料がないことに気付くと、通関や店舗開業スケジュールへ影響する。食品接触製品を輸入する計画がある場合、発注前に最新制度を確認し、必要に応じて検疫所、関係当局、通関業者などへ相談する。
商品リストを規制別に分ける
| 商品例 | 確認の方向 |
|---|---|
| テーブル・椅子 | 家具・建材として確認 |
| 照明付き什器 | 電気用品の対象判定 |
| 食品トレー | 食品接触材を確認 |
| 保存容器 | 器具・容器包装制度を確認 |
実務チェックポイント
- 食品に触れるかを商品ごとに確認する
- 接触部分の材質を取得する
- 海外認証だけで判断しない
- 量産時の材料変更を管理する
- 製造者を特定する
- 輸入前に最新制度を確認する
中国OEMでは、一社から多種類の商品をまとめて調達できることが大きなメリットである。しかし規制まで一括になるわけではない。飲食店用品を「家具」「電気用品」「食品接触製品」などに仕分け、商品ごとに確認することが安全な中国調達の基本となる。
