中国工場の「メーカー直販」は本当?工場・貿易会社・プロジェクト会社の見分け方

「工場から直接買えば一番安い」とは限らない
中国から飲食店家具を調達する際、「中間業者を外して工場と直接取引したい」と考えるのは自然である。しかし店舗内装では、工場直販が必ずしも最適とは限らない。
椅子だけを大量購入するなら専門工場との直接取引が合理的な場合が多い。一方、レストラン一店舗分として木工家具、ステンレス、石材、照明、装飾品をまとめて購入する場合、一社の工場ですべてを製造することは難しい。
中国調達の主な3タイプ
製造工場
特定分野の製造設備を持つ企業。木製家具、金属家具、照明など得意分野が明確である。
貿易会社
複数メーカーの商品を仕入れ、輸出手続や顧客対応を行う。自社工場を持たない場合もある。
プロジェクト会社
ホテルや店舗案件で、図面整理、複数工場への発注、品質管理、物流などをまとめる役割を持つ企業。
外注だから悪い工場ではない
家具工場が石材加工だけ専門工場へ外注することは合理的である。問題は、買手が外注構造を知らず、品質責任の所在が曖昧になることである。
見積時に「Which parts are made in your own factory?」という観点で、自社製造範囲と外注範囲を確認する。
工場確認で見るポイント
- 会社名と工場看板
- 製造設備
- 材料倉庫
- 生産中の商品
- 品質検査場所
- 梱包エリア
- 従業員の作業状況
現地訪問できない場合、ライブのビデオ通話で確認する方法もある。編集された会社紹介動画だけでは現在の生産状況まで判断できない。
専門工場の方が有利な商品
椅子、タイル、照明、金物など、仕様が比較的標準化され大量購入する商品では、専門メーカーとの直接取引が価格や技術面で有利になることがある。
まとめ役が必要な案件
一店舗で数十種類の商品を中国から購入する場合、日本側が20工場と個別に契約し、検品し、物流をまとめるのは大きな負担になる。この場合、一定の管理費を払っても一社が取りまとめた方が総コストを抑えられる可能性がある。
重要なのは「中間マージンがあるか」ではなく、その費用でどの業務を代行しているかを見ることだ。
価格比較は同じサービス範囲で
| 項目 | 工場直販 | 取りまとめ会社 |
|---|---|---|
| 商品価格 | 低くなる可能性 | 管理費等を含む場合 |
| 複数品目 | 個別管理 | 一括管理可能 |
| 図面調整 | 工場範囲のみ | 全体調整可能な場合 |
| 物流 | 個別 | 集約可能な場合 |
取引先選定のチェックポイント
- 自社製造範囲を確認する
- 外注先を把握する
- 誰が品質責任を負うか決める
- 管理費に含まれる業務を確認する
- 工場直販価格だけで比較しない
- 商品数と日本側管理工数を計算する
中国調達で重要なのは「絶対に工場直販」という考え方ではない。商品が一種類なら専門工場、店舗一式ならプロジェクト管理会社というように、案件に適したサプライチェーンを設計することである。中間業者を減らすことより、責任のない中間業者を減らすことの方が重要だ。
