中国工場との仕様変更管理|量産開始後の「少し変更」が納期事故を生む

結論:変更はチャット指示ではなくChange Orderとして管理する
店舗施工では、現場確認後に「カウンターを20mm短くしたい」「金物を黒に変えたい」といった変更が発生します。中国工場がまだ製造していないと思って指示したところ、すでに材料切断が終わっていたというケースもあります。
量産開始後の変更は、内容が小さくてもコストと納期に大きく影響するため、正式な変更管理が必要です。
変更前に製造状況を確認する
まず対象品がどの工程まで進んでいるか確認します。材料未手配なら容易な変更でも、溶接・塗装後なら作り直しになる可能性があります。
変更依頼に必要な情報
- 対象製品コード
- 現在の図面Revision
- 変更箇所
- 変更理由
- 希望適用数量
- 希望納期
工場からは変更可否、追加費用、納期影響、廃棄材料の有無について回答を受けます。
口頭承認で進めない
中国語で直接担当者と話せる場合でも、電話やWeChat通話だけで変更を完了させるのは危険です。通話後に変更内容を書面化し、工場側から確認を取ります。
| 変更段階 | 必要な処理 |
|---|---|
| 変更要求 | 内容・対象数量提示 |
| 工場評価 | 費用・納期回答 |
| 承認 | 発注者が書面承認 |
| 図面更新 | Revision変更 |
| 製造再開 | 最新版受領確認 |
旧仕様品の扱いを決める
すでに20台完成している状態で100台中80台だけ新仕様へ変更するなら、旧仕様20台を使用するのか、作り直すのかを明確にします。途中変更では同一注文内に複数仕様が混在しやすいため、品番を分ける方法も有効です。
設計凍結日を設定する
開業日が決まっている案件では、変更を無制限に受け付けると製造開始できません。「この日以降の変更は納期保証対象外」など設計凍結のルールをプロジェクト内で設定します。
実務チェックポイント
- 量産前に設計凍結日を決める。
- 変更前に現在の製造進捗を確認する。
- 工場から費用・納期影響を回答させる。
- 書面承認後に変更する。
- 図面Revisionを必ず更新する。
- 旧図面を失効させる。
- 新旧仕様が混在する場合は識別する。
仕様変更をゼロにすることは難しくても、変更を管理することはできます。「少し変えるだけ」という感覚を捨て、費用、納期、図面、製造数量を一つの変更手続として扱うことが中国工場調達の事故防止につながります。