中国工場の不良品対応|再製作・値引き・補修をどう決めるか

結論:不良発生時は「責任追及」より先に事実を固定する
中国工場から届いた商品に傷、寸法不良、色違い、破損などが見つかると、すぐに「全部作り直してください」と要求したくなります。しかし工場と交渉するには、何個中何個が、どの基準から、どれだけ外れているかを整理する必要があります。
品質基準が事前に文書化されていれば交渉しやすくなりますが、基準がない場合でも写真、動画、測定値を使って事実を記録します。
まず不良を分類する
安全性や機能に影響する重大不良、使用に大きく影響する主要不良、軽微な外観不良を分けます。例えば椅子の脚の溶接不良と、見えない裏面の小さな塗装傷を同じ対応にする必要はありません。
原因を工場と共有する
単に不良写真を送るだけでなく、原因調査を依頼します。材料、加工、作業者、治具、梱包、輸送のどこで発生したのかを分析します。原因が分からなければ次回生産でも同じ問題が発生します。
| 対応 | 適するケース |
|---|---|
| 再製作 | 使用不能・重大仕様違い |
| 補修 | 現地修正が可能 |
| 部品交換 | 交換部品で復旧可能 |
| 値引き | 使用可能な軽微不良 |
| 次回補填 | 継続取引で少量不良 |
大型商品は日本での補修費も比較する
大型家具や什器を1台だけ中国へ返送すると、商品価格以上の物流費がかかる可能性があります。日本で補修できるなら、工場に補修費を負担してもらう方が合理的な場合があります。重要なのは「作り直し」にこだわることではなく、品質を回復する最も現実的な方法を選ぶことです。
納期影響を計算する
新店舗開業用の商品では、再製作に数週間かかれば開業日に間に合わない可能性があります。その場合、一時的に使用できる良品を選別し、不良分だけ再製作する方法も検討します。
支払条件が交渉力を左右する
全額を出荷前に支払ってしまうと、不良発見後の交渉力が弱くなる場合があります。取引開始時に支払条件を決め、不良対応、検品合格、残金支払を連動させる考え方が重要です。
不良発生時に残す記録
- 注文番号
- 製造ロット
- 総数量
- 不良数量
- 不良写真・動画
- 測定結果
- 契約仕様との相違
- 希望対応
- 再発防止策
次回生産へ改善内容を反映する
不良を値引きで解決して終わると再発します。図面変更、検品追加、治具改善、梱包変更など必要な対策を品質基準書へ反映します。
不良品対応の最終目的は、今回の損失補填だけでなく同じ不良を次回発生させないことです。事実、原因、是正、再発防止の順で処理すると工場との関係も維持しやすくなります。